頭では「良くない」とわかっていても気持ちがおさえられない……。そんな悩めるお母さん達から絶大な人気を誇る、花まる学習会代表の高濱正伸氏に、子育てのポイントをお聞きしました。

 

<高濱正伸プロフィール>
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会理事。1959年、熊本県出身。東京大学大学院卒。1993年に学習教室『花まる学習会』を設立。「カンブリア宮殿」「情熱大陸」等メディアにも出演し、教育や子育てに関する著書多数

 

子育てには2つの箱がある

高濱正伸氏(以下高濱):
まず、僕は子育ての主な時期を、年齢に分けて2つの箱として考えています。ひとつめが、3歳から9歳くらいまでの“つ”のつく年齢が“赤い箱”。そして、10歳がグレーゾーンで、11歳から18歳くらいを “青い箱”。

これは自分の経験を元に年齢で分けてみたんですが、実際に昔から“幼児期”と“思春期”という言葉があり、この箱の年齢にピッタリあてはまったというわけです。

——“赤い箱”の幼児期の子供を持つお母さん達が、気を付けるべきポイントは何でしょうか? 

高濱:今のお母さん達は情報が多すぎて困っているんです。ネットや色々なところで情報を仕入れたり、他の子ができるという話を聞いたりして焦ってしまう。これはもう、お母さんの習性なんですね。

自分が母になる前には見えなかったんですが、育児をしていると「こんなに心配なのか、子供を育てるということは……」と気付く。日々、不安が込み上げて気が焦る。それで、色々と手を出して失敗してしまうんです。

 

お母さんはいつもニコニコしていること

——ありますね。ちょっと病気になると、不安になってすぐネットを検索してしまいます。

高濱:だから、お母さんは「わたしが安定してればいい」と思っていてください。お母さんがいつもニコニコしている。これだけで全然違うんですね。これは絶対信じてほしい。ここがキモ。

“○○式”とかやらなくても、子供は育つ。伸びるんです。