野外の親子キャンプなども指導しているという花まる学習会の高濱正伸先生に、家庭でのお父さんの役割、そして子供との遊び方についてお聞きしてみました。

 

<高濱正伸プロフィール>
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会理事。1959年、熊本県出身。東京大学大学院卒。1993年に学習教室『花まる学習会』を設立。「カンブリア宮殿」「情熱大陸」等メディアにも出演し、教育や子育てに関する著書多数。

 

お父さんは「イクメン」じゃなくていい

——家庭におけるお父さんは、どんな役割を担えばいいでしょうか。

高濱:お父さんの役割はイクメンじゃないです。つまり、イクメンという言葉は聞こえがいいけれど、無理にイクメンになる必要はない。「家事、手伝おうか」という思いやりこそが必要だということなんです。

実際はお父さんが家事を手伝うと、かえって手間がかかってしまう場合もありますよね。だけど、その気持ちこそが大切なんです。

お母さんがニコニコでいられる手伝いをしよう

高濱:男性に、まず一言言いたいのは、なんといっても母は偉大であるということ。それは、自分達も経験からよく知っていると思います。では、この“偉大な母”を立てられるようにどう手伝いができるか。

参考記事:"マジメ母さん"ほど危険! 花まる学習会・高濱先生に聞いた“メシが食える大人"の育て方(ウレぴあ総研)

——お母さんをフォローするということでしょうか。
高濱:そうです、「自分はお母さんのニコニコの手伝いをする」と割り切る事です。
という話を以前講演会でしたら、お父さん達から手紙が沢山来ました。「これを知って、ようやく楽になりました」とか、「イクメンって言われ続けて、仕事でクタクタになって帰ってきて、家事まで半分手伝うのは本当はおかしいと思っていました」とか。

——お父さんもイクメンという言葉にふりまわされていたんですね。
高濱:家事を半分するとか、そういうことじゃないんです。現代は、お母さんが気持ち的に追い込まれやすい子育てだということを理解する。子供達をちゃんと育てるためには、この偉大なお母さんの心が壊れないように、お父さんが第一に助けるしかないんですよ。