お付き合いしている恋人がいるけれど、別の人に好意を向けてしまう「浮気」は、バレずに終わればそれでおしまい、なのでしょうか。
自分の浮気を「なかったこと」にしたい人は多いですが、「浮気ができてしまう自分」を知ってから、その後に変化が現れる人もいます。
パートナーを裏切るのが浮気であり、その一線を超えられる自分を、信用できるでしょうか。
浮気をする側に起こった影響について、ある女性のケースをご紹介します。
「不満の解消」だった浮気
慶子さん(仮名/32歳)が浮気をしたのは、彼氏への不満が出発点でした。
同じ会社員の立場で働く彼氏は、「営業職なので平日はずっと忙しくて、LINEの返事は来ないし夜に電話をしても寝ていて出ないことが多くて、寂しかったです」と、慶子さんは振り返ります。
自分も彼氏と同様に正社員として働いていれば、業務以外でも時間が取られることなど想像はつきますが、慶子さんが一番不満だったのは、「寂しいと言うのを我慢して彼氏に合わせていたのに、彼氏のほうは自分の好き勝手にする」ことでした。
週末にやっと会えても、「疲れが取れなくて眠い」とおうちデートではひとりで映画を観ていたり、外食するのも「遠くに行くとしんどいから、近場で」と慶子さんの行きたいお店を断ったり、「自分への配慮がない」ことが、不満を超えた怒りを育てていったといえます。
「じゃあ別れたらって友達には言われるのですが、そこまでは思いきれなくて……」
付き合っている意味がない、と思いながらそれでも別れを選択できなかったのは、放置されっぱなしで身を引くような自分に抵抗があったことを、慶子さんは話してくれました。
その慶子さんがマッチングアプリに手を出したのは、平日ひとりの物足りなさを紛らわすためだったといいます。
「暇つぶしでした。やり取りできる男の人がいればいいなって、いま思えば彼氏の代わりがほしかったんですよね」
彼氏への不満を解消したくて会うことは考えておらず、「誰かと話したいだけだった」慶子さんは、ある男性と出会い気持ちが変化していきます。