物語の中心となるのは、今回も六年生の6人。そして四年生の3人だ。四年生たちは忍たまたちにとっての敵役であるドクタケ忍者隊を一蹴するが、六年生たちはなぜか下級生の活躍を認めない。
実はこれは六年生に考えがあってのことなのだが、四年生にとっては面白くない。そんな四年生たちがあるとき、行方不明になってしまう。四年生たちを捜索するために動き出した六年生が知ったのは、四年生をスカウトした謎の人物がいるということだった――。
この舞台、ストーリーはオリジナルだが、世界観や脚本などは忍たまらしさをきちんと踏襲している。あまり予習をしていなかったので、上級生10人がわらわらっと出てきたときは誰が誰なのか混乱したが、そこはさすが忍たま。一人ひとりが個性的なので、見ているうちにだんだん把握できてきた。キャラクターのわかりやすさもあるが、演じている俳優たちが自分の役をしっかりと理解していることも大きいのだろう。
そして、筆者も知っているいつものキャラクターたちも登場する。乱太郎・きり丸・しんベエのおなじみトリオはもちろん、忍術学園の学園長、土井先生、山田先生、くノ一の3人などである。驚いたのは、学園長や八方斎、黄昏甚兵衛といった強烈なインパクトを放つ見た目のキャラクターがまさに完全再現されていること。特に八方斎に至っては、もはや特殊メイクの域だ。俳優さんもすごいが、メイクさんもすごい。漫画原作の舞台はファンが厳しいのだけど、これだけ再現されたら文句もないだろう。
軽妙な会話とテンポの良いギャグのドタバタコメディ、山田先生の女装と、巻き込まれ体質の土井先生、ついでに、前回公演で好評だったという上級生・立花仙蔵の女装もたっぷりと楽しめる。
そうそう、これこれ! 落第忍者乱太郎って、こういうノリだったなぁ。