ETF投資をする際に気を付けた方が良いこと
――ETF投資をする際に気を付けた方が良いことはありますか?
小林:これは僕自身も気をつけていることなのですが、「マイルールを決めて投資する」ということです。先日のような下落のタイミングで買っておこうと思って買ったとしても、そこからさらに下がっていく可能性ももちろんあるわけです。
そこで大切になるのが、マイルールを決めておくということです。これはあくまで一例ですが、100万円をETF投資に使いたいと思った時に、10%下がったら、その資金の1/4を投入します。そこからさらに10%下がったら資金のもう1/4を入れます。
これまでも、株価が暴落した時に40パーセントほど下落した事例があるので、こうして「10%下がったら、1/4を入れる」という運用をしておけば、またそこまで下がったとしても資金が底をつかないという精神的な余裕が生まれます。
ETFは機動的に投資が出来る分、感情に左右されて慌てて投資しちゃう傾向にあって、僕にもそういう経験はあるんですが、感情に出来るだけ頼らずに機械的にやっていくことがとても大切です。
大和アセット:投資には長期的な観点で見れば上がっていくという信念が重要だと考えています。
ただ、価格が落ちている時には皆さん不安でなかなか買えないんですよね。
小林さんがおっしゃった様にルールを作ることは大切で、僕も投資に使いたい金額を3等分にして、下がった時に投入をしています。
分散投資が少額から出来て、リアルタイムで購入が出来るという株式と投資信託のいいとこ取りでもありますので、多くの方に知っていただきたいと思います。
小林:ETFも以前からある商品ではあったのですが、最近だと新NISAが始まって、僕たち投資する側にとってはコストがだいぶ安くなりました。投資する側にとっては良い時代になったなと思いますね。
ETF投資にむいている人は?
――ETF投資にむいている人はどんな人ですか?
小林:投資信託という要素があるので、手軽に分散投資をしたい人がまず向いていますね。
個別の株式を自分で選びたい人もいらっしゃると思うんですけど、まずは分散投資を手軽にスタートしたいという方に便利だと思います。
あとはリアルタイムで取引ができるので、相場を見ながら投資をしてみたいなという方にもETFは向いていますね。
――マーシュ彩さんとご一緒に、ETF投資を分かりやすく解説されているコンテンツを展開していますね。
小林:マーシュさんの様に20代など、お若い方で投資に興味を持たれている方に対して、投資についてネガティブなイメージを持たないように分かりやすく学んでもらえるコンテンツになっていると思います。
大和アセット:マーシュさん世代の方に投資を正しく理解していただき、その理解をもとに、最初の一歩を踏み出すきっかけとなるようなコンテンツを目指しています。
この連載を見ていただいて、自分もやってみようと思ってもらえる様に、小林さんにとても分かりやすく解説いただいています。
今回の取り組みを経て感じたのは、若い方は投資の原則を理解している方が多いなと感じます。小林さんや、皆さんが様々な情報発信を続けてくれたおかげで、長期投資のスタンスをしっかり持っている方が多いので素晴らしいなと感じています。
小林:連載の後半の方で、実際にアプリを使って購入を進めていく箇所がありますが、僕も隣で拝見していたのですが、アプリが使いやすくてサクサク進めていたので、すごく良いなと思いました。
これまではどう買えば良いのかわからなかったり、パソコンの画面も難しかったりしたハードルがあったのですが、マーシュさんもアプリで思った以上に簡単に投資できたという実感があったと思うので、ぜひこの便利さもご覧いただきたいですね。
――「会社の成長を見守りながら、長期的なスパンでじっくり利益を増やしていくもの」という説明もすごく分かりやすかったです。
小林:まずは自分が興味を持てる会社やものに投資して、自分がどれくらい長い目で見られるのか、将来性が期待出来るかという目線で選んでみると良いかなと思います。
誰かが言ったからこれにしようっていうのは、最初はとりあえずそれでもいいかもしれないですけど、自分が将来的に期待出来ると思うものにお金を投じるということが投資の基本的な考え方なので。
「このETFは将来価格が上昇するだろうか」と考えながら自分の中で整理していけると、投資への自信が高まると思います。
最低でも5年は見てほしい。「長い目で見ること」が投資の基本
――株価の乱降下が大きなトピックスとなりましたが、現状についてどうお考えですか。
小林:今は少し落ち着いてきていますが(※取材時9月下旬)、年末にかけてはもう一波乱あるかなとは思っています。
今のこの株式市場が何に1番注目しているかというと、米国では失業率が徐々に上がってきています。これがどこかでパンと大きく上がってくると、景気後退の局面に差し掛かってくるかなと予想が出来ます。
これまでの歴史を振り返ると、景気後退局面に突入していくと株価というのは10%、20%の下落をしてきたデータがあるので、米国で景気後退があったら、日本にも余波が来るので株価もだいぶ下がってくる可能性はあるかもしれないですね。
ただ、これは最初の新NISAの話にも通じてくるのですが、結局は長い目で見て上がっていれば良いのです。
いつの時代も暴落というのはどこかで終わりを迎えてきたので、 短期的には上がったり下がったりを繰り返すかもしれないけど、長い目で見ると上昇が期待出来るという考えに則ってそもそも投資をしましょうと。
乱降下があっても慌てずに投資の方針を守って、 長期でじっくりと続けていきましょうという基本を守ることが大切だと思います。
――基礎的なことをちゃんと理解できていれば、ニュースを見てパニックになることなどは無さそうですね。
小林:色々な考え方があると思いますが、個人的には短くても5年は待ったほうが良いと思います。なぜ5年かというと、2008年にリーマンショックが起きて株価が大きく下がった後、回復するまでに大体5年ほどの期間がかかっています。
大きく株価が下がっても5年あれば大体回復が期待出来るでしょうということが1つの目安としてはあると思うので。
さらに長く持っていればそれに越したことはないので、10年、20年を目安にしていけると良いですが、まず最低でも5年は見てほしいですね。