さて、2冊目は、小学校低学年の女の子同士の友情の始まりを描いた絵本をご紹介します。
『あのときすきになったよ』(薫くみこ 作・飯野和好 絵/教育画劇 みんなのえほん)、かわいらしい絵柄に慣れた親子には、飯野和好さんの絵は少々刺激が強いかもしれません。
ですが、いったん読んでみれば、このインパクトのある絵が本当に活きてくる内容で、他の絵柄でこの話は表しきれないと思います。
ところで、小学校というのは、子どもにとって、ある意味過酷な場所です。それまで遊ぶことに重きを置いていた幼稚園・保育園時代は終わりを告げます。
皆、一様に席に着き、授業中は、おしっこをしたくてもすぐには言い出せない時間だと子どもは感じています。本作は、そのために起こった出来事を通じて仲良くなる二人の女の子を描いた作品ですが、小学生になり、文字が読めるようになっても、こんな絵本なら読み聞かせてあげてもいいかもしれません。
きょうだいもの
子どもにとって、きょうだいができるということは大事件です。
赤ちゃん返りしてしまう子どももいますが、その時期を経て、ちゃんとお兄ちゃん/お姉ちゃんになるステップを上がっていくのですよね。
「きょうだいもの」、一冊目はこちら、『あさえとちいさいいもうと』(筒井頼子 作・林明子 絵/福音館書店)です。
あさえには小さな妹がいます。ある時、出かけるお母さんに頼まれて、妹をみることになりますが、ちょっと目を離したすきに、妹の姿がみえなくなってしまいます。
泣くには少し大きすぎるあさえの、ドキドキした気持ちが、痛いほど伝わってきます。
挿絵の林明子さんは、『はじめてのおつかい』、『こんとあき』でも知られていますが、本当に子どもの表情をつかまえるのが上手ですね。
お次も、赤ちゃんが生まれてお姉ちゃんになった絵本です。『ちょっとだけ』(瀧村有子 作・鈴木永子 絵/福音館書店)。
女の子のけなげさをとても丁寧に描いていて、今回の記事の趣旨と外れるようですが、これはこれでリアルです。子どもって、時に本当に一所懸命だし、けなげなんですよね。
なお、この絵本はママの方が涙腺決壊のおそれがありますので、ご注意ください。
ちなみに、この手の本で、お兄ちゃんが主役のもの多数ありますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。