おむすびころりん』松谷みよ子 作・長野ヒデ子 絵/童心社

全国各地に古くから伝わる民話を、松谷みよ子さんが絵本にしたシリーズのひとつ。

他にもいろんなバージョンの『おむすびころりん』がありますが、松谷さんのものがいちばん、声に出しておもしろかったので、おすすめします。絵もおもしろい!

おむすびころりん、すっとんとん、のリズムの良さは、まさに読み聞かせに最適な絵本と言えるでしょう。

三びきのやぎのがらがらどん』マーシャ・ブラウン 作・瀬田貞二 訳/福音館書店

こちらは北欧の民話をもとにしたお話です。

なぜか同じ名前の三びきのやぎ、それぞれ大きさが違って、橋を渡る時の音もそれぞれ違います。小さいやぎは、「かたことかたこと」、中くらいのやぎは「がたごとがたごと」、では、大きいやぎは・・・?

それにしても、『おおきなかぶ』のかけ声もそうですが、「がらがらどん」と訳したのはお見事というしかないですね。

思わず大人が朗読の楽しさにハマる絵本

かさじぞう』松谷みよ子 作・黒井健 絵/童心社

これもまた、日本の民話をもとにした絵本です。

かさじぞうのストーリーはだいたいご存じの方も多いかと思いますが、松谷みよ子さんのバージョンには、ある「伏線」が張られており、それがお話に深みを与えてくれています。

また、どこの地方の方言かはわかりませんが、声に出して読んでみると、気分が出て、しばし子どもに読んでいることを忘れて、大人がハマってしまうかも。

キャット イン ザ ハット』ドクタ・スース作・伊藤比呂美 訳/河出書房新書

映画化された『グリンチ』などで知られる世界的絵本作家ドクター・スースのナンセンス絵本。

絵も強烈ですが、言葉でもグイグイ、ナンセンスなドクター・スース・ワールドに引きずり込まれますよ!

雨の日に退屈していた子どもたちの前に、おかしなネコが現れて・・・まるで早口言葉みたいな言葉のオンパレード! 翻訳は詩人である伊藤比呂美さん。詩人ならではのリズム感の良さがあります。

おたまじゃくしの 101ちゃん』かこさとし 作/偕成社

先日、92歳で亡くなった、かこさとしさんによるハラハラドキドキ絵本です。

かこさとしさんというと、『からすのパンやさん』、『だるまちゃんとてんぐちゃん』などがあまりに有名ですが、こちらもそれらに負けず劣らずの名作なのです。

迷子になった子どもをみつけたお母さんが、たがめとざりがににやられてしまいそうになる・・・といったあらすじで、読んでいるうちに、ママの方が手に汗握ってしまうかもしれません。

まとめ

今回ご紹介した絵本には松谷みよ子さんのものが多かったのですが、音読しても、黙読しても、情景や気持ちが伝わってくるものばかりなので、あえて重複しておすすめしてみました。

また、『まり』の谷川俊太郎さんは、他にもいろいろ赤ちゃん向けの絵本や、意味のない言葉しか出てこない絵本なども出されています。

それらが広く読まれていることからも、赤ちゃんや小さい子どもは必ずしも意味で絵本を楽しむわけではないようですね。

大人には、なにがおもしろいんだろう? と思えるような絵本でも、子どもには大うけ、ということもあります。

理解できないことを楽しむ、というのは、大人になると意外と難しいもの。子どもと一緒に絵本を読めば、ナンセンスなことも面白がれる、柔軟な頭の大人になれるかもしれませんよ。