'23年のデビュータイミングでインタビューして以来、1年ぶりにONE PACTに会った。10月にリリースした2nd ミニアルバム『[fallIn’]』は、TAGが全曲作詞作曲し、メンバー全員で作り上げた1枚だ。聞いた瞬間に心をわしづかみされるほどのパワーを持ったこの“名盤”を、彼ら自身に解説してもらった。また、“思わず「fallIn’」してしまいそう”をテーマにメンバー同士で写真撮影。自主制作ドルらしいこだわりのカットをお楽しみに。
メンバーたちの勘を信じたタイトル曲
音楽制作からMVのディレクション、振付まで自ら行う“自主制作ドル”ONE PACT。2ndミニアルバム『[fallIn’]』が好評だ。
――2ndミニアルバム『[fallIn’]』はこれまで同様、TAGさんがすべての楽曲を制作していますね。
TAG 今回のアルバムテーマは「別れ」です。少し肌寒くなってきたこの季節にぴったりだと思いました。タイトル曲の『DESERVED』は、哀愁漂う別れの歌というよりも「まだお前のことを愛している。だから帰ってこい」と歌う歌。曲作りをしていると行き詰ったり、アイディアが浮かばなかったり迷ったりすることがあるのですが、ラッキーなことにこの曲はハミングで1stヴァース(Aメロ)のメロディーが出来上がって、同時に歌詞まで完成しました。
――天才!
TAG まあ……。僕もそう思いますけど(笑)。
(メンバー一同、笑)
TAG 実は『DESERVED』は、元々タイトル曲の予定ではありませんでした。大衆的なメロディーではないためタイトル曲にすることをためらっていたら、メンバーたちが「この曲がいい」と言ってくれて。メンバーたちの勘を信じようと思って、タイトル曲にしました。
SEONG MIN 初めて聴いた時にかっこいいと思うと同時に、「踊るのが難しそうだな……」と心配になりました。
JONG WOO 実際、振付の難易度がめちゃくちゃ高いんですよ。ビートの中に細かくいくつもの要素が詰まっていて、それが複雑に絡み合っている。練習を始めたころは1stヴァースを踊るだけでもみんな息が上がってしまいました。猛特訓をして、今では最初から最後まで生歌で踊っても平気なくらいになりましたけど。
――他の曲も紹介していただけますか?
YE DAM 『I still do』は、メンバー全員で振付をしたので、パフォーマンスに注目していただきたいです。全員の振りがぴったりと合うところがかっこいいですし、パフォーマンス映えする曲です。
JONG WOO 『At the last moment』は、『DESERVED』に負けないくらい中毒性の高い曲です。聞き心地がよくて、僕も気付くと鼻歌で歌っています。
SEONG MIN 僕は元々違う曲の方が好きだったんですけど、今では『At the last moment』の一番のファンです。
TAG SEONG MIN兄さんは、最初『다음 생(Next Life)』推しで、「『At the last moment』は僕の趣味じゃない」なんて言っていたもんね。『다음 생(Next Life)』も僕の曲なのでいやな気持ちには全くならないけど。むしろ、「これはいい」「これは嫌い」とはっきり言ってくれたほうが、メンバーたちが求めていることをキャッチできるのでありがたいです。
全員のこだわりと粘りが詰まったMV
――『걷다보면(Reach you)』のセルフメイドビデオのディレクションはJONG WOOさんが担当されたそうですね。
JONG WOO TAGから「JONG WOOさんの感性にぴったりと合う曲だと思うからやってほしい」とお願いされました。TAGは僕のセンスを評価してくれているんです。映像を作る時に考えるのはいつも一つ。メンバーたちがかっこよく映っているかどうか。僕はメンバーたちどの角度、どの表情が一番かっこよく見えるのか分かっているので、メンバー一人ひとりの長所が引き立つ映像を作るよう心掛けています。
――ソウルの中のさまざまな場所を歩くメンバーたちの姿が映し出されています。
JONG WOO 朝から次の朝まで丸一日使って撮影をしました。メンバーたちは本当に大変だったと思います。例えばSEONG MINは一瞬のシーンのために横断歩道を何度も往復しなければいけなかったし、YE DAMは山を登ったり、雨にあたったまま歩き続けなければいけなかったし。
YE DAM 撮影の前にロケハンにも一緒に行ったんです。
JONG WOO YE DAMとSEONG MINはアシスタントの役割もしてくれました。TAGは撮影をする中でいろいろなアイディアを出してくれました。僕がディレクションをしましたが、メンバー全員で作り上げたMVと言っても過言ではありません。文句も言わずに黙ってついてきてくれたメンバーに感謝したいです。
TAG 僕たちが求める画が撮れるまでは絶対に帰らないぞ! という気持ちで頑張りました。何がきついって、僕たちがどんなに頑張ってもダメなんです。自然が味方してくれないといけない。かすんで見える月を撮ろうと何時間も待機したり、太陽が出るのをひたすら待ったりしましたね。
SEONG MIN 最後は太陽が僕たちを助けてくれたんですよね。
JONG WOO ちょっと助けに来るのが遅かったけどね。
TAG 助けようかな、やめようかな、と迷って、最後の最後に来てくれた感じ?