だしがきいた牛丼を初体験

【茅乃舎 だしおでん】 おでんだしの牛丼。小松菜の煮物と味噌汁がついています

「おでんだしの牛丼」はどうか。隣で嬉しそうにほおばっていた牛丼女子に聞いてみた。

「だしがしみています。どんな牛丼なのか想像できなかったけど、おいしいです。チェーン店の牛丼とはひと味もふた味も違います」

牛丼女子が絶賛する牛丼を少し分けてもらった。

たしかにおいしい。だしがきいた牛丼を初めて食べた。もう少しつゆだくにしてくれると、もっと嬉しいんだけど。

「私もつゆだくが好きだけど、ご飯に少しだけつゆがかかっている、この感じが好き」

牛丼女子は、おでん屋の牛丼にノックアウト。「これまで食べてきた牛丼の中で一番おいしい」とべた褒め。

「つゆだくにすることも大盛りにすることもできます」と教えてくれたのは、茅乃舎だしおでんの吉田健太郎さんだ。

牛丼の話を聞きたくてそわそわしている牛丼女子をなだめつつ、屋号にもなっているおでんについて話を聞くことにした。

【茅乃舎 だしおでん】 IHコンロで時間をかけて丁寧におでんを炊いていました


「おでんのだしには、弊社の茅乃舎だし、椎茸だし、昆布だしを使っています」

おでんのだしを飲み、その味を毎日チェックしていると胸を張る。

「人がすることなので、念には念を入れています。ひとつ入れ忘れるだけで、まったく違う味になるので。もちろん、おでんの味見も欠かせません」

「だしとおでんの味を毎日確認しています」

【茅乃舎 だしおでん】 熱伝導力がよい銅鍋でおでん種をゆっくりと炊いていました

味のしみ込み具合や、仕上がり具合を確認するため、毎日おでんを食べているそうだ。

むかし、大阪の老舗おでん屋を取材したことがある。「だしは使っていない」と主は断言した。

塩と砂糖だけで味付けをしているというのだ。

拙宅では一番だしだけでおでんを作る。ところが、この店では3種類のだしでおでんを炊いているからこそ滋味あふれる味わい。

【茅乃舎 だしおでん】 混ぜ込みご飯がおいしかった

おでんもおいしかったが、混ぜ込みご飯も素晴らしかった。

「店で販売している、ご飯に混ぜるだけの『かしわ飯』を使っています。弊社は本社が福岡なので、福岡風の薄い味付けです」

鶏肉、ごぼう、ニンジンが入ったかしわ飯は自分的には大ヒット。おかわりができるのだろうか。

「350円でおかわりできます」

滋味な味わいの小松菜は、自社製品の白だしで炊いているそうだ。