仕事の取引先からのご縁がつながって

焦りがあるといっても、そう都合よく降ってこないのが出会いで、

「マッチングアプリも使ってみたのですが、彼女じゃなくて都合のいい関係を求めているだけの男性とか、結婚願望だけ強くてろくにこっちの話を聞かない男性とか、振り回されました」

こんな出会い方は自分には合わないと思った美咲さんは、結婚している友人たちに独身男性の紹介をお願いしたこともあったそうです。

「でも、友達の紹介ってやっぱり気を使うというか……。

実際に会ってみたら聞いていた話を全然違っていて、結婚するなら家にいてパートで働いてほしいとか、私の希望をまったく聞いてくれない男性でした。

紹介してもらった手前、どうやって角を立てずに交際を断ればいいのか、悩むのがストレスでしたね」

上手くいかない出会いにすっかり落ち込んだ美咲さんは、恋愛そのものに尻込みするようになります。

「もうずっと独身でもいいやと思っていた」そんな頃に出会ったのが、仕事の取引先で知り合った男性Aさんです。

「長く取引のある業者さんから勧めていただいた会社があって、そこの担当者がAさんでした。

こちらの話をよく聞いてくれて、シビアな金額の話も正面から伝えてくれるので、いい意味で気合が入りました」

仕事のやる気にもつながったというAさんとの出会いは、やり取りをするうちに個人的なことも話せるような信頼が生まれます。

「『ひとり暮らしだから残業も平気です』と話すAさんに、『私も同じです』なんて普通に返すことができて、そのときにこの年になると恋愛も諦めちゃいますよね、みたいな話を軽くしました。

愚痴の吐きあいじゃなくて、『でも、ひとりも悪くないですよね』ってAさんが言って、生活の気楽さとかいろいろ共感できる部分が多くて」

美咲さんの心が動いたのは、「結婚していようがいまいが、自立している女性は信頼しています」と口にしたAさんの姿でした。

「仕事もそつなくこなすタイプのAさんで、こんな人に認められたらうれしいなと、そのとき思いました」

でも、安易に恋愛の可能性を見出すのは、やはり「上手くいかなかったときのことを考えて怖かったです」と、美咲さんは話します。

そんな心を押してくれたのが、今は別の部署にいる仲のいい同僚でした。

「恋愛とか深く考えずに、いいなと思うならとりあえず仲良くなってみるのが先じゃない?」

と言われた美咲さんは、すぐに恋愛に結びつける自分の心の傾きに気が付き、「その通りだ」と友人の言葉を受け止めたそう。

それから、少しずつプライベートな話題を増やし、お互いについて知っていったといいます。