タイプ3・そもそもの掲載ページが少ない場合

一方で、漫画雑誌に毎号掲載されているにも関わらず、なかなか単行本が出ない漫画作品もあります。ズバリ、ショートコミックや四コマ漫画等、掲載ページ数が少ない漫画作品達です。例えば、古賀亮一先生の『新ゲノム』。

 

『新ゲノム』第1巻 "ショートギャグ"として抜群の完成度を誇るものの……その形態故に、単行本がなかなか出ない『ゲノム』。

虫の研究を行うエルフのエルエル、生物研究所の所長、そしてお手伝いロボットのパクマンという三人(二人と一体?)を主人公に、毎回、ハイテンションなドタバタコメディが繰り広げられるギャグ漫画なのですが、いかんせん月刊誌掲載のショートコミックなので、単行本に収録をする為の話数の集まりは遅くなります。本作は、だいたい2年~3年位に一冊という、かなりユッタリとしたペースで単行本が発売されています。

『新ゲノム』は、非常にレベルが高いギャグ漫画で、ファンも多いのですが、掲載誌が成年漫画雑誌(つまりは、18歳以下は購入出来ない漫画雑誌)ということもあり、ちょっと成年漫画は書店で購入しづらい人、または未成年のファンなどは単行本にまとめられるのを待つしかないのですが、何ともジリジリさせられる刊行スケジュール。

他に、このパターンでファンが長い間"お預け"となる作品として、ばらスィー先生の『苺ましまろ』なども代表例として挙げられるかと思います。大学生と小学生の女の娘のゆるくてちょっとシュールな日常をコメディタッチで描いた作品なんですが、こちらも月刊誌で掲載のショートコミック。

 

更に度々休載が挟まれることもあり、掲載誌である『月刊コミック電撃大王』の看板作品の一つであるにも関わらず、こちらも単行本の発売スケジュールは非常にゆっくり。ファンを焦らし続けている作品です。この「ショートコミックでページ数が少ない+休載が多い」という合わせ技一本っぷりはなかなかに強烈で、単行本派泣かせの作品と言えるでしょう。

あとは、近年人気の所謂"萌え四コマ"なんていうのも、その形態故に作品人気の高さとは反比例して、単行本の刊行速度は長いスパンを空けがちです。果たして、どれだけの四コマ漫画ファンが『ひだまりスケッチ』の最新刊を待ち侘びていることか……。最も、こうした作品の場合は、待たされた分、単行本で一気読み出来る爽快感も格別なわけですが。