それでも読者が単行本を待ち続ける理由
この他にも職場の同僚等、周囲の漫画ファンに意見を聞いたところ、広江礼威先生の『BLACK LAGOON』、大塚英志&田島昭宇両先生による『多重人格探偵サイコ』、冬目景先生の諸作品なんかが、「単行本がなかなか刊行をされない漫画」として名前が挙がっていました。
また、美内すずえ先生の『ガラスの仮面』の様に、最早、その単行本のリリース間隔が"遅い"という概念を天高く飛び越え、ディオ様のザ・ワールドで時を止められてしまったかの様な漫画作品もありますし、士郎正宗先生の『アップルシード』の様に、根強いファンを持ちつつも何十年という単位で新作の発表が止まっている作品(実質、完結?)もあります。
ですから、どんなにゆっくりしたペースでも最新刊が発売をされるというだけで、その漫画や作者さんを愛しているファンならば喜ぶべきものなんだと思います。とはいえ、やはり、その刊行ペースが遅いと焦れてしまうもの。
雑誌が発売される度に巻末の作者さんのコメント一覧を真っ先にチェックし、好きな作品の休載を確認しては「また、今週もか……」と肩を落とし、何だったら、ネットで作者さんに対して「◯◯仕事しろ」なんてことを思わず言っちゃう人もいます。
何故、こんなにも待たされつつも、新刊を待ち続けてしまうのか……答えは、簡単でその漫画がおもしろくて、作者さんのファンで、作品と作り手を愛して止まないからです。理由は、様々ですが単行本の刊行ペースが遅い漫画作品というのは、確かに存在します。でも、何故、そんな作品がファンから忘れ去られることがないか、打ち切りになることがないのか、そして、何故、新刊を皆が待っているのか……
それはやっぱり作品がおもしろくて、待つ価値があるからなんですよ。どれだけ、間が開いても、やはり大好きな漫画の新刊が出れば嬉しいもの。これからも、そんな待つ価値のある作品と長いこと付き合っていきたいですよね。