かかりつけ医の賢い選び方とは

まず初歩的な問題として、どのようにかかりつけ医を探せばよいのか。野津原先生によると、いくつかのポイントがあるようです。

・家の近くにある
病気など何かあったときだけでなく、いつでも気軽に相談するためには通いやすいことも大事です。

・大きな病院よりも身近な診療所
大きな病院のほうが設備も揃っていて何かと安心、という意見もあります。しかし、曜日によって担当医が変わったり、同じ先生に診てもらうために前々から予約が必要だったりと、病院の先生をかかりつけ医として頼るのは少し難しい面も…。

今は“地域完結型”といって、かかりつけ医と病院や専門の医療機関などが連携して医療情報を提供し、診療所から適所へと情報が共有され、スムーズな流れで患者さんに治療を施せるようになっています。毎日同じ先生が診てくれる診療所では、先生との信頼関係を築きやすいという利点もあります。

・受けられる健診は受ける
健診の際に色んな相談ができるので、乳幼児などが受けられる定期的な健診や予防接種はしっかり受けましょう。また、風邪などで検診を受けた時には他に心配な事や気になっていることを相談してみるのもおすすめです。

・何でも話せることが大事
普段の生活で不安なことなど、体調の変化や子供の成長など、心配事はなんでも話せるような関係が理想です。近くの診療所に通って、“信頼できる”先生を見つけてください。先生の治療方針や診察の仕方も色々なので、自分が安心・納得できる先生を見つけるために場所を変えるのもひとつの方法です。
 

全国で普及している“地域完結型”医療

都内には多くの大学病院があり、地域の診療所も充実している。都会や地方などで、連携に差は出ないのでしょうか?

「地域によっては病院の数などの関係で、ひとつの地域だけでなくもう少し広い連携が必要な場所もあります。そのような地方でもうまく機能するようにしていますから、よほどの過疎地を除けば、かかりつけ医と病院などとの医療連携は日本各地で行われています。」

なるほど。では具体的に自分の地域ではどのように探せばよいのでしょう。

「東京都で運営している総合的な医療機関案内サイト「ひまわり」のように、道府県によって医療機関の情報をまとめて提供するような取り組みになっているはずです。インターネットで探せばどこの道府県でも検索できると思います。そこからもっと細かい区や市の医師会のページを探すことも可能です。まずは都や県のホームページから入ると、自分の住んでいる地域の医師会を見つけやすいと思います。」

ほかには、乳幼児がいる家庭の場合は定期的な健診などがあるので、そこで集まった母親同士のクチコミなどで評判の良いお医者さんが話題になることもあるようです。