【喫茶 古城】 古城をひと言で表現するならば、ゴージャス。この昭和な雰囲気に若者は惹かれるのかも

創業は京子さんが16歳の頃。学生時代、京子さんは、父に頼まれて古城でアルバイトをしていた。24歳のとき1歳年上の祥訓さんと結婚。その数年後、省三んさんが死去。

30歳の頃、京子さんが店を継承した。以来、祥訓さんと二人三脚で、省三さんが遺した古城を守ってきた。

「創業当初からのメニューを召し上がってみますか」

二つ返事でお願いした。

創業当初からの飲み物をいただきました

【喫茶 古城】 京子さんは、祥訓さんから「ママ」と呼ばれていた

京子さんが「古城特製ココア(850円)」を運んできた。カカオの香り豊かなココアの上に、生クリームとココアパウダーがかかっていた。

【喫茶 古城】 ココアをシャンデリアの灯りが照らしていた

飲もうとしたとき、あることに気づいた。ココアが置かれたテーブルに、シャンデリアの灯りが映っていたのだ。

シアトル系コーヒーショップでは、まずお目にかかれない光景を目で追いながら、昭和の香りがただようココアをいただいた。

【喫茶 古城】 ミックスサンド。塩といっしょに作りたてが届いた

「『ミックスサンド(単品1050円)』も創業当初から定番です」

ハムサンド、卵サンド、野菜サンドがひと皿に盛られていた。

卵サンドは、刻んだゆで卵にマヨネーズを和えたものが多い。この店のは薄く焼いた卵焼きがはさんであり、まだほのかに温かかった。注文後作ってくれる、心遣いが嬉しかった。

【喫茶 古城】 温かい卵焼きがおいしかった

しかも塩がそえられていた。最近はどうか知らないが、昭和の喫茶店のサンドイッチには、塩がいっしょに登場したものだ。

そのままでもおいしかったので使わなかったが、塩を届けてくれる配慮が嬉しかったし、懐かしかった。