CDを超える高音質の“ハイレゾ音源(=ハイレゾリューションオーディオ)”の時代の到来を見据え、昨年10月に『ウォークマンぴあ』(ぴあ刊)が発刊されたことを記念し、1月17日(土)に東京・銀座のソニービルにて“音楽のミライとツナガルオモイを語ろう”と題してトークイベントが開催された。
ハイレゾの可能性が高い注目を集めるアニメジャンルを代表して、数多くのアニソンを歌ってきた藍井エイルさんがゲストで登壇! ソニーから発売されたハイレゾウォークマン開発責任者の佐藤朝明さん、同じくソニーのウォークマンマーケティングリーダーの黒川直通さん、ハイレゾ音源を配信する音楽配信サイト「mora」の中川雄策さんらと共に、ハイレゾの浸透による今後の音楽界の変化や、ハイレゾがもたらす新たな可能性について語り合った。
ハイレゾだからこそ聴くことができるサウンド
CDの約3倍~6.5倍の情報量、TVで放送される圧縮された音源の20倍もの情報量を誇り、レコーディング音源に近い高音質が楽しめると注目のハイレゾ音源。
藍井さんは『ウォークマンぴあ』のインタビューで初めてハイレゾ音源に接したが「音の広がりがあるな…と感じたのが第一印象。細部の音までよく聴こえるし、耳でだけでなく体で空間を感じさせてくれる音質だと感じた」とこれまでにない音楽体験の感想を語る。
自身の楽曲をハイレゾ音源で聴いて改善点を探すこともあるという藍井さん。実際、従来の音源では拾いきれなかった、レコーディングの際の細部での様々なチャレンジもハイレゾだとキッチリと感じることが出来ると感慨深げ。
「誰にも伝わらないような細かい部分を大事に歌っているのですが、ハイレゾだとそれが聞こえるので感動がありました。例えば、語尾を上げるような私の歌い方も、CDではよく耳をすまさないと聴こえない部分もあるけど、ハイレゾだと感じてもらえる。私の新たな一面を感じてもらえると思います」と笑顔を見せた。
CDの音源とハイレゾ音源の音質の違いは、簡単に説明すると「CDがひとつの音に関して『0』か『1』かという2段階で音を出す――つまり、ある段階で『0』と認識されると聞こえなくなってしまうのに対し、ハイレゾ音源は256段階で音が表されるので小さな音まで楽しめる。声の余韻や響き、ツヤを楽しめる」(佐藤さん)。藍井さんは「CDだとどうしても、高音になると音がカサカサと聴こえるけど、ハイレゾは容量が大きいので、音に余裕がある」とうなずく。