2.要注意!12歳以降の引き出しには「3つの条件」がある

ここが今回の制度で最も重要なポイントです。税制改正大綱では、12歳以降の引き出しには厳格な条件が設けられています。

条件1:用途の制限

引き出せるのは「教育費または生活費の支払のため」に限定されます。具体的には以下のような使途が想定されます。

・学校の入学金・授業料

・塾代・予備校費用

・修学旅行費・留学費用

・その他、子どもの教育・生活に直接関わる費用

条件2:子ども本人の同意が必須

12歳以降は、子ども本人の同意を得たことを証する書類の提出が必要です。つまり

・親が勝手に引き出すことはできません

・子どもに説明し、納得してもらう必要があります

・同意書への署名などの手続きが発生します

条件3:書類提出の手間

引き出しのたびに、使い道を記載した書類を金融機関に提出する必要があります。

・ATMで気軽に引き出すことは不可能です

・事前の書類準備と提出手続きが必須です

・頻繁な少額引き出しは現実的ではありません

なるべく手間をかけずに手続きできることを望みますが、現時点の制度設計では、ある程度の手間がかかることを覚悟しておく必要があります。

3.年齢別の活用シミュレーション

制度の特徴を踏まえた、年齢別の活用戦略をご紹介します。

【0~11歳】時間を最大限活用する「育成期」

この時期は、原則として引き出しはできません(災害などの特別な事情を除く)。逆に言えば、確実に長期運用できる期間として活用しましょう。

活用例

・児童手当の一部(月1~3万円程度)

・出産祝い・お年玉の一部

・全世界株式インデックスファンドなどで長期積立投資

運用例:毎月の積立金額2万円を12年間、想定利回り(年率)4%で運用した場合

・元本:288万円

・運用益込み:約367万円(約79万円の利益)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」を元に筆者算出

※手数料や税金は考慮していません。投資成果を保証するものではありません。

【12~17歳】「必要な時だけ」の実用期

12歳以降は引き出しが可能になりますが、前述の3つの条件があります。まとまった教育費が必要な時のみの活用が現実的です。

適した用途

・私立中学・高校の入学金や初期費用(数十万~数百万円)

・大学受験の予備校費用(年間数十万円)

・海外留学費用(数百万円)

避けるべき用途

・毎月の習い事費用(手続きが煩雑すぎる)

・少額の参考書代など(書類提出の手間が見合わない)

子どもとの話し合いが必要になるため、金融教育の絶好の機会として活用しましょう。「君の将来のために積み立て投資してきたお金を、今回の進学のために使うよ」という会話は、お金の大切さを伝える貴重な体験になります。

また、12~17歳の期間に資金を引き出さずに運用を継続できると、より複利効果が期待できます。大学資金としてじっくり運用を継続できるといいですね。