叱ったら切れてしまう子っていますよね。それに対して親も一緒になって切れてしまい“悪循環”になってしまうことはありませんか?原因は何なのでしょうか?

発達障害に生まれて-自閉症児と母の17年』の著者、立石美津子がお話しします。

自分の思い通りにならならないと攻撃的な行動に出る子は、“親に甘やかされて、我慢することを教えられずに我儘に育ってしまった子”のイメージがあるかもしれませんが、実はそうではありません。

反対に親に甘えても、自分がこうしたいと要求しても、拒否され続けることが続く幼少期を送ると、将来、その付けが回ってきて切れやすい子どもになってしまうことがあります。

生まれて数年の子どもです。この世は安心安全な場所であり、親がそれを守ってくれる体験を積むことが大切です。

ただ、幼少期に切れやすい子どもには確かに原因が幾つかあります。次に切れる子の理由と解決策についてお話します。

基本的生活リズムが狂っている

大人でも夜更かししたり、週末「明日は仕事がないから」と朝遅くまで寝ていたりしたら、日曜日の夜寝つきが悪くなってしまい、月曜日の朝から体調が優れないまま会社に行くことになります。

このように日によって就寝時刻、起床時刻がバラバラになっていると身体がだるくなったり、疲れたりします。こうなるとちょっとしたことでイライラしてしまいます。

解決策

まだ身心の成長過程にある子どもだったら尚更です。大人の生活リズムに合わせて深夜の家電量販店や焼き肉店や居酒屋に連れ歩くことはしない方がよいですね。土日でも夏休みでも就寝時刻、起床時刻のズレは30分程度に収めましょう。

また食生活もスナック菓子や炭水化物ばかり取るのではなく、野菜なども必要量とり便秘など体調不良を起こさないように心がけましょう。適度な運動も必要ですね。

魔のイヤイヤ期

第一次反抗期と言われる2歳くらいの「魔のイヤイヤ期」。

脳には自分の“欲求を抑制する働き”をする箇所があります。額の内側にある脳の前頭前野という部位です。食べたいお菓子を我慢したり、ブランコの順番を守ったりするなどです。

幼稚園に通う頃にはこれが出来るようになっていきますが、3歳くらいまではまだ発達していません。自分が「こうしたい」という気持ちをコントロールできない状態、これが嫌々期の正体です。

0歳~1歳の受け身の時代を卒業して、2歳を迎えたころから自分の思い通りにならないと癇癪を起します。

例えば…

ママ「お風呂入りましょう」
子「嫌だ!嫌だ!」
ママ「だったらお風呂入るの、止めなさい!」
子「嫌だ!嫌だ!」
ママ「だったら、ママもう知らない!勝手にしなさい!」(*親も切れる)
子「ワーン!ワーン!」

ずっとこんな調子で疲れてしまいます。

解決策

感情の制御が難しいことに加えて、自我が育ってきて自分で何でも決めたい時期なのです。お風呂に入りたい入りたくないではなく、“親に一方的に命令されること”自体が嫌なのです。

イヤイヤが始まったら「脳の前頭前野がまだ発展途上なんだわ。それに自分でやってみたいのに、指示されることが嫌なんだわ。私の対応が悪いのでもなく、我儘な子になってしまったわけでもないのだわ」と思いましょう。

永遠に続くことはありません。一時的なものです。3歳を過ぎた頃から「自分がこうしたい」という感情をコントロールすることができるようになりますから、しばらくの辛抱ですよ。