言葉が発達していない
児童館に遊びに行ったとき、友達が玩具を持っていました。自分もそれで遊びたくて仕方がありません。
「僕もそれを使いたいから、ちょっとだけ貸してください」と流暢に話せないとき、「言葉で伝えるよりも、手や歯を使った方が早く玩具が手に入る」と考え、相手の子を突飛ばしたり、噛んだりする行為につい出てしまいます。
解決策
これも言葉がまだ十分発達していない1~2歳の時期に起こること、3歳になって噛み付いている子はほとんどいません。ただ、相手もあること、ほっておくわけにはいきませんね。
相手を気遣うことは無理
4歳まではまだ自分とは違う相手の心を読み取る“心の理論”が発達していませんから「自分がされて嫌なことはお友達にしてはダメよ!」と叱っても通じません。
「相手の立場に立ちなさい」と言うのではなく、「今、お友達が使っている最中だから待っていなさい」とどういう行動が望ましいか具体的に伝えましょう。
叱るだけで終わらせない
「噛んだらダメ!叩いたらダメ!」とその行為を叱るだけでもいけません。「どうすれば良いか」が示されていないからです。
「欲しいときは噛みついたり叩いたりしないで『貸して』と言おうね」とどうすればよいのか、具体的に代替案を出すのです。言葉がまだ話せない場合は親が“ちょうだい”のジェスチャーをして手本を示しましょう。
発達障害児の可能性
外に連れて行くと、目を離したすきに迷子になってしまう、道路に飛び出す、友達に暴力を振るう、玩具を散らかしたまま片づけられない……。
どの子にも少なからずみられる行動ですが、その中に発達障害の一つである“注意欠如/多動性障害(AD/HD)”の子もいます。(過去記事「【発達障害】その落ち着きのなさ、衝動性はもしかして? 「注意欠如/多動性障害(AD/HD)」の子の特徴&育て方」)
その名前のとおり次の3つの特徴があります。
- 不注意(集中力がない)
- 多動性(じっとしていられない)
- 衝動性(考えずに行動してしまう)
具体的には次のような行動が見られます。
- 直ぐに気が散る
- じっとしていなくてはならない場所で、立ち歩く
- 席は離れなくても、身体を常に揺する
- 忘れ物が多い
- 些細なミスが多い
- 約束や決まりごとを守れない
- 時間管理が苦手、計画性がない
- 片付けが出来ない
- 行動や感情を爆発させる(友達をすぐに叩いたり蹴ったりする)
解決策
自分ではどうしようもないのに出てしまう行動に対して、親や幼稚園の先生が叱り続けると、自己肯定感も自尊感情も育たなくなってしまいます。これが原因で将来、引きこもり、精神疾患、自傷、他害などの二次障害に発展してしまうこともあります。
専門医の元を尋ね、適切な対応法を学ぶことが肝心です。いきなり病院に行くのは敷居が高い…。そんな場合は自治体の相談窓口(保健センター・子育て支援センターなど)に相談してみましょう。
今、その場に留まって悶々と時を過ごしているよりも道が開けますよ。
子どもの様子をじっくり観察して、原因による賢い対応を工夫してみてくださいね。