突然ですが皆さん、2月22日は「猫の日」だということをご存じですか? なんでも、ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)の語呂合わせで、ペット関連団体の協議を経て、1987年に制定された歴史のあるものなのだとか。

「猫」の魅力って、本当に一言では言い表せないですよね。

大きな目、プニプニとした柔らかな肉球、美しい毛並みに、ピンと立った気高いしっぽ……。ねずみを追いかける野生的な身のこなしに、犬と比べてそっけない感じの所もまた、たまらない魅力です!

今回は、そんな「猫」が主役の絵本を、7冊ほどご紹介したいと思います。

猫が登場する絵本は、実はかなりの数出版されているのですが、今回はその中でも特にオススメのものを厳選して選びました。
それではどうぞ、「猫」の世界をお楽しみくださいませ。
 

フォトギャラリー【写真12枚】ネコの絵本の中身を見る
  • うきわねこ2
  • 100万回生きたねこ3
  • うきわねこ1
  • 100万回生きたねこ2
  • 100万回生きたねこ1

愛するってなんだろ?一生手元に置いておきたい「深~い」猫絵本

まずご紹介したいのは、言わずと知れた超名作、30年以上読みつがれている佐野洋子さん作の『100万回生きたねこ』(講談社)です。

 

このお話は、ある一匹の「100万年も死なないとらねこ」が主役です。100万回死んで、100万回生きたねこは、100万人に可愛がられても、死を悼まれても、一度も泣くことはありませんでした。

しかし、ある時とらねこは「白くて美しいねこ」に恋をします。とらねこは白いねことず~っと一緒に生きていきたいと思うのですが、白いねこもやがて年をとり、死んでしまうのです。
とらねこはその時初めて泣き、ある日のお昼に、白いねこのとなりで死んでしまい、もう、決して生き返ることはない……というお話です。

この絵本は、白いねこととらねこの恋物語として読まれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私はこの絵本を読んだとき、ただただ「怖いな」と思いました。だってですよ。このとらねこ、愛する白いねこちゃんと出会うまで、100万年もかかっているのです!

この人のためなら「泣ける」と思える人に出会えるまで、実に100万年かかっているわけです。私ならそんなに生まれ変わりたくありません。長すぎです。恐ろしい!
人の一生は、何事かをなそうと思えば、あまりにも短いのかもしれません。今「大切だ」と思える人がいるなら、それはもう奇跡なのだな~と思いました。
 

 超可愛いっ! ~「こねこ」の成長物語~

さて続いては、とっても可愛くてキュンキュンする、また時に極上のファンタジーでもある「こねこ」が主役の絵本をご紹介したいと思います。

 

まずご紹介したい絵本は、『ねこ ねこ こねこ』(ブルノー=ホルスト=ブル ぶん/偕成社)という、ポーランドの画家であるグラビアンスキーさんという方が絵を描かれた、様々な子猫の姿を30面に描きわけた絵本です。特別なストーリーはありませんが、白猫、黒猫、しゃむ猫……様々な猫の日常の姿を、とても鮮やかな色彩で描いています!まるで猫の写真を見ているようで、猫が絵本から飛び出してきそうな大迫力なタッチが魅力です。

 

また同じく『ちいさなねこ』(石井桃子 さく/横内襄 え/福音館書店)というお話も猫の姿が非常にリアルに描かれています。親猫が、危険な外へと向かっていた子猫を助けにいくストーリーなのですが、お母さん猫の大きな愛情が感じられ、とても温かい気持ちになります。

 

そして「こねこ編」ラストにご紹介したいのは、『うきわねこ』(ぶん 蜂飼耳 え 牧野千穂/ブロンズ新社)という、満月の夜にくりひろげられる極上のファンタジー絵本です。「えびお」という名の男の子の猫が、誕生日におじいちゃんから、空を飛べる不思議な「うきわ」のプレゼントをもらう所からお話が始まります。

猫なのに「えびお」という名前がついている所も面白いですが、一ページ目で、えびおが「おかかのおにぎり」を食べているシーンでも思わず笑ってしまいました(笑)。

満月の夜、えびおは、うきわに乗って、空の上でトラ猫のおじいちゃんに会うのですが、あまりに美しくて優しい臨場感あふれる絵と、また少し切ないストーリーに、胸がキューッとしめつけられます。

数々の賞を受賞した、子どもから大人まで楽しめる絵本です。