「猫」の魅力って、本当に一言では言い表せないですよね。
大きな目、プニプニとした柔らかな肉球、美しい毛並みに、ピンと立った気高いしっぽ……。ねずみを追いかける野生的な身のこなしに、犬と比べてそっけない感じの所もまた、たまらない魅力です!
今回は、そんな「猫」が主役の絵本を、7冊ほどご紹介したいと思います。
猫が登場する絵本は、実はかなりの数出版されているのですが、今回はその中でも特にオススメのものを厳選して選びました。
それではどうぞ、「猫」の世界をお楽しみくださいませ。
愛するってなんだろ?一生手元に置いておきたい「深~い」猫絵本
まずご紹介したいのは、言わずと知れた超名作、30年以上読みつがれている佐野洋子さん作の『100万回生きたねこ』(講談社)です。
このお話は、ある一匹の「100万年も死なないとらねこ」が主役です。100万回死んで、100万回生きたねこは、100万人に可愛がられても、死を悼まれても、一度も泣くことはありませんでした。
しかし、ある時とらねこは「白くて美しいねこ」に恋をします。とらねこは白いねことず~っと一緒に生きていきたいと思うのですが、白いねこもやがて年をとり、死んでしまうのです。
とらねこはその時初めて泣き、ある日のお昼に、白いねこのとなりで死んでしまい、もう、決して生き返ることはない……というお話です。
この絵本は、白いねこととらねこの恋物語として読まれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私はこの絵本を読んだとき、ただただ「怖いな」と思いました。だってですよ。このとらねこ、愛する白いねこちゃんと出会うまで、100万年もかかっているのです!
この人のためなら「泣ける」と思える人に出会えるまで、実に100万年かかっているわけです。私ならそんなに生まれ変わりたくありません。長すぎです。恐ろしい!
人の一生は、何事かをなそうと思えば、あまりにも短いのかもしれません。今「大切だ」と思える人がいるなら、それはもう奇跡なのだな~と思いました。
超可愛いっ! ~「こねこ」の成長物語~
さて続いては、とっても可愛くてキュンキュンする、また時に極上のファンタジーでもある「こねこ」が主役の絵本をご紹介したいと思います。
猫なのに「えびお」という名前がついている所も面白いですが、一ページ目で、えびおが「おかかのおにぎり」を食べているシーンでも思わず笑ってしまいました(笑)。
満月の夜、えびおは、うきわに乗って、空の上でトラ猫のおじいちゃんに会うのですが、あまりに美しくて優しい臨場感あふれる絵と、また少し切ないストーリーに、胸がキューッとしめつけられます。
数々の賞を受賞した、子どもから大人まで楽しめる絵本です。