株式会社Insect Technologyは野蚕エリサン由来の養殖飼料の研究成果発表と、様々な地域で育成した陸上養殖魚を味わうイベント『Local Blue Table 2026』を開催。
世界的な魚粉価格高騰や天然資源依存が課題となる中、株式会社Insect Technology(本社:沖縄県うるま市、代表取締役:田井中 慎)は野蚕エリサン(ヤママユガ科)を活用した代替飼料の研究を進めています。
この度、株式会社Insect Technologyは国立大学法人琉球大学との共同研究によって、野蚕エリサンの蛹を原料とした陸上養殖用の配合飼料の有効性を検証、養殖飼料としての有効性を実証しました。
実験では、エリサン蛹を魚粉の15%代替として配合した試験飼料を用いてヤイトハタ(ミーバイ)を飼育。体重増加率・生存率・飼料効率において良好な結果が得られ、さらに高密度で飼育される養殖魚のストレス低減の可能性も確認されました。
本研究成果の社会実装に向けた取り組みとして、エリサン由来飼料で育成した養殖魚の実食イベント『Local Blue Table 2026』を6月26日金曜日に開催します。
1. 琉球大学との共同実験:国産で手に入る持続可能な飼料開発
1. 実験設計の概要
エリサン(ヤママユガ科)の蛹を原料とした昆虫タンパク飼料を魚粉の15%代替として配合。従来の魚粉配合飼料との2区比較試験を実施。粗タンパク・脂質は両区ともに同一設計とした。
・ 対象魚種:ヤイトハタ(ミーバイ) ─ 高付加価値な沖縄産養殖魚
・ 置換率:全体100gに対し、魚粉を60g→45gに削減、エリサン蛹粉末15gを配合
・ 給餌期間:2025年10月29日~12月25日
・ 実施機関:国立大学法人琉球大学 研究共創機構
2. 主要研究成果:エリサン由来タンパク質が魚粉の代替と成りうることを確認
・ 体重増加率 :魚粉飼料と同等の成長を確認。エリサン配合飼料 156.7% / 魚粉配合飼料153.9%
・ 生存率 100% :全飼育期間を通じて達成。
・ 飼料効率 悪影響なし:魚粉配合飼料と同等の飼料転換効率を確認。
3. 注目知見:健康な魚を生み出す「シルクフェッドフィッシュ」の可能性
エリサン配合飼料を摂取した魚では、以下の生理学的変化が確認されました。
・ 酸化ストレス値(TBARS/MDA値)、コルチゾール値(ストレスホルモン)の低下
・血糖値(Glucose)でやや高値 ─ 活発な代謝状態を示唆
この結果はエリサンに含まれる抗酸化性成分が魚の酸化ストレスを軽減するとみられ、高密度に養殖される閉鎖型陸上養殖における魚のストレスを減らすことで品質・健康向上につながります。エリサン蛹粉末が単なる代替原料にとどまらず「機能性飼料原料」としての活用可能性を示す知見となります。
4. 共同研究パートナーからのコメント
・琉球大学 特命助教 福永 耕大(ふくなが こうだい)
「今回の実験では野蚕エリサン由来原料が魚粉の一部代替として機能し得ることが示されました。本成果は持続可能な水産資源利用に向けた新たな飼料選択肢として意義があり、実用化に向けた検証を進めていきます。」
・琉球大学 特命助教 成 泰敬(ソン テギョン)
「昆虫原料を用いた飼料研究は多く進んでいますが、エリサン蛹に着目した養殖飼料研究は限られています。エリサンの広食性や地域未利用資源の活用可能性を踏まえ、持続可能な飼料原料として今後の展開が期待されます。」
また今回の陸上養殖用の配合飼料の有効性および養殖飼料としての有効性の実証は、公益財団法人PwC財団の助成事業2025年度春期環境(食料システム)の助成を受けて実施しています。
2. イベント開催:新たな食文化としての陸上養殖を共創する『Local Blue Table 2026』
研究成果の社会実装に向け、エリサン由来飼料で育成した養殖魚の実食イベントを開催します。
陸上養殖のステークホルダーである研究者、養殖事業者、食品関連企業だけではなく、デザイナーや建築家等のクリエーターや学生も加わり、『陸上養殖がもたらす地域への好循環』を検証するマルチステークホルダー・ダイアローグとなる「Local Blue Table」は、地域資源を活用した持続可能なブルーフードの未来を考える共創イベントです。
・ 日時:2026年6月26日(金)17:30~19:30 (開場17時)
・ 会場:Marked渋谷 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目23−21 渋谷キャスト 1F
・ 各種陸上養殖ブルーフード試食、ゲストトーク、日本女子大学生による提案、弊社研究成果報告
・ 詳細とお申込み https://lbt2026.peatix.com/

イベントでは琉球シルクミーバイの試食も可能
3. 弊社が目指す事業モデル:養蚕文化×養殖技術=地域の食循環
株式会社Insect Technologyは養蚕(Local Culture)と陸上養殖(Food Tech)を有機的に結びつけた地域循環型の新産業モデルを構築していきます。

株式会社Insect Technology 事業モデル概念図
【Local Culture:エリサンの養蚕】
・ 食品残渣・農業未利用資源を養蚕のエサに活用し、地域内循環を構築
・ 農福連携:障がい者や高齢者の就労創出を実現。
・ 繭は繊維産業へ:UVカット・防臭機能を持つ天然機能性素材として活用
【Food Tech:陸上養殖の飼料開発】
・ エリサン蛹を原料とした高機能養殖飼料を開発・提供
・ 閉鎖循環式陸上養殖により、抗酸化・ストレス低減効果のある高品質魚を育成
・ 沖縄・群馬・埼玉・長野・新潟など全国の養蚕現場と連携して生産
・ 「シルク・フェッド・フィッシュ」として地域産品&高付加価値のブルーフードとして販売
株式会社Insect Technologyでは、沖縄に留まらず、世界遺産・富岡製糸場のお膝元である群馬県富岡市でのエリサン養蚕をスタートしています。昆虫資源を活用した新たな循環産業モデルの構築を通じて、日本発の持続可能な食料生産システムの社会実装を目指してまいります。
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