嘔吐物を処理するポイントと手順

もし、ノロウイルスに感染した子どもが嘔吐した場合、嘔吐物を処理するときがとても重要だといいます。セミナーでは、ダスキンの小林さんのレクチャーのもと、保育士さんが疑似汚物を用いて、処理体験をしました。

そこで、大まかな処理の流れをご紹介します。

小林英明さん(以下、小林)「嘔吐物の処理の際には、基本的に使い捨ての手袋、マスク、エプロン、シューズカバーを着用しましょう。手袋とシューズカバーは二重に着用しましょう。さらに、消毒液の次亜塩素酸ナトリウム(1000ppmに薄める)、ペーパータオル、ポリ袋2枚を用意してください」

(1)消毒液をかける

1000ppmに調整した消毒液(次亜塩素酸ナトリウム)に浸したペーパータオルを嘔吐物の周りと上に敷き、さらに上から消毒液をかける。別途、浸したペーパータオルを嘔吐物の近くに敷き、シューズカバーを消毒するための「出入口」も作っておく。

(2)ふき取る

ペーパータオルを周囲から内側に向かって、嘔吐物に触れた面を織り込みながら静かにふき取る。その時、段ボールなどを切って作った簡易な「ヘラ」を用いると便利。

(3)ペーパーは一次回収袋に入れて消毒液を入れる

ふき取ったペーパーはあらかじめ口を広げておいた一次回収袋に入れ、消毒液を浸る程度に入れる。

(4)シューズカバーと使い捨て手袋を注意深く脱ぐ

シューズカバー、使い捨て手袋を脱ぐ際には汚染面に触れないように、外側が内側になるように脱ぎ、一次回収袋へ。袋の口をかたく閉じる。このとき、空気を圧縮しすぎると、ウイルスが外に飛び散るので注意。一次回収袋を二次回収袋へ入れる。

(5)嘔吐物を除去後、消毒液を注ぎ10分放置

嘔吐物を取り除いたら、再びペーパータオルで覆って消毒液を注ぎ10分間放置。10分後にペーパータオルを二次回収袋へ。

(6)仕上げ

仕上げに消毒液に浸したペーパータオルで拭き、その後水拭き。(1)で作った「出入口」のペーパータオルと、エプロンやシューズカバー、手袋、マスクを二次回収袋に入れ、袋の口を結ぶ。

(7)衛生手洗いとうがい

子どもに手洗いを教えよう!

ダスキンに、基本的な手洗いの方法を子ども向けに教えてもらいました。
ぜひ自宅でお子さんに教えてあげてくださいね。

  1. 水で手をぬらそう(5秒)
  2. せっけんを手にとってよくあわだてよう(10秒)
  3. 手のひらをこすりあわせよう(10秒)
  4. 手のこうを手のひらでこすろう(10秒)
  5. ゆびとゆびのあいだもわすれずに(10秒)
  6. 手のひらをゆびさきでごしごしあらおう(爪ブラシを使ってもOK!)(20秒)
  7. おやゆびをにぎってまわすようにあらおう(20秒)
  8. 手くびをにぎってあらおう(忘れがちだよ!)(10秒)
  9. あわをしっかりながそう(15秒)
  10. 手をきれいにふいてできあがり(10秒)

いかがでしたでしょうか。いつでもノロウイルス感染のリスクはあると考えて、ぜひ今回ご紹介した予防策からはじめましょう!

【取材協力】ダスキン
清掃用品のレンタル・販売をはじめ、ハウスクリーニングや家事代行サービスなど、暮らしをサポートする事業を展開。

<参考>内閣府 食品安全委員会「ノロウイルスの消毒方法」