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【原則2】将来を見すえたリフォームプランを立てる

【原則1】にもある通り、近年は20年、30年先まで考えて総合的なリフォームをする人が増加してきている。この逆に、プランを立てずに行う「つぎはぎ型」のリフォームは多くの面で失敗につながるリスクが高いと藤原氏は指摘する。

「部分的なリフォームを繰り返すと、段差が出来たり色の統一がされなかったり、ちぐはぐな結果を招いてしまう場合があります。また、コストの面でも不利です。たとえば屋根と外壁のリフォームを別々にすると、工事の足場を2回組むことになって二重の費用が発生します。

水まわりのリフォームも配管設備が絡んできますから、まとめて工事したほうが効率的です。大切なのは将来の生活をイメージした上で、業者ともきちんと話し合い計画的にリフォームを進めていくことだと言えるでしょう」(藤原氏)

ただ漫然とリフォームをするのではなく、どこに困っているか? 家の不具合を直したいだけなのか、生活そのものをリフレッシュしたいのか? 快適性を求めて性能向上リフォームに取り組むのか? これから何年間住むことになるのか? ……これら複数の観点から「自分が何をしたいのか」を明確にしておくことが失敗しないリフォームの第一歩なのだという。

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【原則3】リフォーム業者選びは慎重に

しっかり将来まで考えてリフォームの目的を定めたとして、それを形にするのはリフォーム業者の仕事だ。とはいえ、しばしばニュースなどでも報じられているようにリフォームにまつわるトラブルは決して少なくない。参入障壁の低いリフォーム業界には知識や経験が不十分な業者もあるため、「信頼できる業者を判断する3つのポイント」を藤原氏に挙げてもらった。

「ひとつめは地元で長くリフォームを手がけている業者を選ぶことです。商売を継続しているのは実績がある証拠ですから、その面では安心できます。ふたつめはメーカー系列の会社です。フランチャイズにせよボランタリーチェーンにせよ、メーカーの品質基準に沿って仕事が進められていますので一定の信頼感があります。

3つめは保険制度――リフォームかし(瑕疵)保険に加盟している業者を選ぶことです。そこなら何か問題があった時でも保険が利きますので安心です。保険の登録事業者はインターネットで検索することができます」(藤原氏)

上記に該当しない場合、たとえば自宅を直接訪れて営業をかける訪問販売のリフォーム業者については、いちがいに良いとも悪いとも言えないそうだ。大切なのはその業者をホームページなどで調べ、工事実績や保険がどうなっているか確認してから会話に応じることだという。

「複数のリフォーム業者に見積もりを出してもらうこともお勧めします。業者によって材料の使い方、利益に対する考え方などが違ってきますので、各社を比較して不明な点があれば質問を投げてみてください。納得できる説明がもらえたら、そこに依頼すると良いでしょう」(同)

藤原氏によれば新築で家を建てた場合、その時の業者にリフォームを頼むのが本来は一番安心だという。ただしリフォーム対象は新築物件ばかりとは限らないし、新築専門でリフォームに対応していない業者もある。そんな場合はここに挙げたようなポイントを踏まえながら、信頼できる業者を自分で探すことが必要になるのだ。