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【原則4】工事中・引き渡し時もあちこちに気を配る

信頼できそうな業者と契約してリフォーム工事に入れば、もうあとは黙って待っていればいい……というわけではない。藤原氏によれば、ここにもリフォーム失敗の大きな原因が潜んでいるという。それは「業者とのコミュニケーション不足」だ。

「工事中も契約通りに施工されているか、きちんと確認すべきです。契約内容と違うように感じたところがあれば業者に聞くこと。そうでないと工事がどんどん進んでしまい取り返しがつかなくなります。

また、リフォームというのは住みながらの工事ですから、その間はお風呂が使えない、居住スペースが制限されるといった不便が出てきます。ユーザー側としても遅れなく終わらせて欲しいですよね。だから工程表を業者から出してもらって、何日にどの工事が入る予定か、工程通りに進行しているかなどのチェックは常に欠かせません」(藤原氏)

リフォーム工事が完了して引き渡しの際にも確認しておくポイントはある。「リフォーム後の家や設備に傷はないか」「保険・保証内容に目を通す」「見積もり金額をオーバーしていないか」の3つが大切になる。リフォームは壁や床下を実際に開けてみないと分からない部分があり、建材の追加などが必要になって見積もり金額を超える場合もあるのだ。

もしそうした時は、きちんと事前に了承を得てくれるよう頼んでおきたい。業者とのコミュニケーションがうまく取れていないと、勝手に増額されてしまうケースもあるそうだ。

「多くの人はプロの業者に全部委ねれば安心と思っておられますが、そうではありません。リフォームで失敗しないためには、いろいろ自分で確認しておいたほうが良いのです」(同)

【原則5】補助金制度を最大限活用すべし

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リフォームをする際、つい忘れがちなのが国や自治体が用意している補助金の存在だ。しかしこれらを活用するかどうかで費用面に大きな違いが出てくる。

現在利用できる「省エネ住宅ポイント」は「住宅エコポイント」よりポイント還元率がアップされ、お得感が増している。また、設備だけのリフォームでもポイントが発行される(以前は窓と設備の組み合わせが必要だった)など、適用範囲が広がっているのも嬉しい。高性能断熱建材を使用したリフォームへの補助金と省エネ住宅ポイントは併用可能なため、なんと最大180万円も得をすることになる。

「使い勝手の増した省エネ住宅ポイントの登場、そして消費税10%への増税を控えた時期ということもあり、性能向上リフォームを中心に需要は伸びてきています。たとえば省エネ住宅ポイントが適用される代表格の内窓リフォームですと、出荷数が当社では昨年比1.5倍ほどに増えました」(藤原氏)

意外に知られていないが、実は補助金というのは「何年何月まで」といった期間限定ではなく、振り分けられた予算が尽きた時点で終了してしまう性質がある。つまり早い者勝ちなのだ。どんな補助金が使えるのかを知り、それに合わせたキャンペーンも活用することで、リフォームにかかるコストを大幅に減らすことができるだろう。

「施主が65歳以上なら補助金を出す自治体もあるなど、リフォームに関する補助制度は多彩です。書籍やインターネットで調べる、業者にたずねる、当社のコールセンターを利用されるなど、事前に調べておき有効に使っていただければと思います」(同)

パソコン誌の編集者を経てフリーランス。執筆範囲はエンタメから法律、IT、教育、裏社会、ソシャゲまで硬軟いろいろ。最近の関心はダイエット、アンチエイジング。ねこだいすき。