――それでは、今回展示してある中で特にお気に入りがあれば教えてください。
蚩尤さん:MRTという台湾の地下鉄が背景になっているものでしょうか。高雄にあるMRTの駅、美麗島駅を描いています。
――「制服至上」というタイトルには、どのような思いが込められているのでしょうか?
蚩尤さん: これまで制服の美しさをどのように表現するか、ずっと考えてきました。取材をした女子高生たちには『ジャージも描いたら?』なんて言われたこともありましたが、制服にこだわっています。
ただ、制服だけではつまらないので、学校ごとの特色などを詳しく表すためにもブラスバンドや、部活の服も描いています。
――日本で初個展をする感想はいかがでしょうか?
蚩尤さん:緊張します! 日本はとても制服の文化が発達していますから。日本にも何度か制服の取材で来ていますが、台湾の制服の特色を出せたらと思います。
また来年の6月には『制服至上3』も出る予定です。『制服至上』から『制服至上3』なので、ちょうど3年で卒業、ということになりますね。
――日本のファンへのメッセージをお願いします。
蚩尤さん: 色々な人に制服の美しさを感じてもらえればと思います。 日本の女子高生にもぜひ来てもらって、台湾の制服を見ていただきたいです(笑)
蚩尤さんはとても物腰が柔らかくて、爽やかな好青年という印象。一つ一つ言葉を選びながら丁寧に答えてくださった。その姿からは研究者やエンジニアという雰囲気も感じられた。一つのものにひたすら向き合い、極めていくという点では似ているのかもしれない。
会場では『制服至上』、『制服至上2』を始め、様々なグッズが発売されていた。 ギャラリーの方曰く、『制服至上』のオリジナルグッズが発売されるのは恐らく初めてとのこと。蚩尤さんのグッズが発売されること自体珍しいらしい。
女子高生たちの愛らしさ、制服のリアルさが絶妙なバランスで融合した『制服至上』。一定の期間しか着ることが出来ない若さの象徴でもあり、学校という枠の中にいる存在の象徴でもある。少女たちを一番美しく見せる制服、やはり至上である。
2015.04.29 篠崎夏美