「せっかくなのでタイトルにないお話をします」と言って話してくれたのが、“世間は狭い”という話。

・旅行先のグアムで、結婚式を挙げている見知らぬ人たちに手振った。帰国後、出会った人が、その結婚式の招待客で、手を振っていた人たちの中の一人だった。

・合コンで口説いていた女性が、次の日朝から仕事があると早く帰ってしまった。次の日会社に行ったら、打ち合わせ相手がその彼女だった。

・元カノの今カレが、自分と同じ結婚式に出席していたことが、記念写真経由で発覚。

「イッツアスモールワールドですね」と学生さん。 あるある話だが、ここまで続くことはそうはないだろう。同行ライターも、そういえば……と、初めての打ち合わせで会った仕事相手が、元カレだった話を披露。

Facebookの友人が、全然関係ない別の友人とつながっていることもよくある話。「転職しても、知らない土地に行っても、どこかで繋がっているし、誰かしら見ています」と山本さん。今いる場所を大切に、というメッセージともとれる。良い人生教訓いただきました。

「旅の恥はかき捨て」も通用しない世の中です

その日は時間が足りず聞けなかった「天谷窓大の東京都北区赤羽」も、後日メールでリクエストし、教えていただいた。

7年前荒川沿いの志茂というエリアで一人暮らしをしていた天谷さん。北区赤羽から歩いて20分。そこは「昔ながらの暖かい下町と、魑魅魍魎のような変な人が入り交じる不思議な場所だった」そうだ。

ここからは、天谷さんのお話をお楽しみください。

スナック「マカロニ」の思い出

「山田孝之の…」にも登場するお店なのですが、赤羽駅から10分ほど歩いた丘の上に
なぜか「マカロニ」という名前のスナックがあります。
(どこかの部族の言葉で「おいしい」という意味なのだそうで…)

一見するとよくある極普通のスナックなのですが、店のカラオケにビデオミキサーがつないであり、お客が歌っていると、テレビに流れるカラオケビデオにそのお客さんの歌う姿を合成して流すという、はためにはありがた迷惑としか思えないサービスで、地元民からはナニコレ珍百景的な扱いを受けていました。

僕はこのお店の雰囲気が好きで何度か行ったのですが酒の席が盛り上がると、マスターがお客さんたちを店の2階へと案内するのです。

階段をあがった先に見えたのは10畳ほどの座敷とそこにぽつねんと鎮座する「輪投げ」。
仲良くなったお客さんとは輪投げをして親交を深める、というのがこの店のマスターの流儀で、行くたび、次の日仕事があっても、夜中の2時ごろまで地元のおじさん(この日が初対面の知らない人)と一緒に輪投げに興じることになるのでした。
(でも、思いのほか楽しかった…)

筆者も北区在住だが、赤羽の「マカロニ」にはまだ行ったことがない。なんだか入りづらい雰囲気ではある。深夜の「輪投げ」という新しい世界があるのなら、入ってみるのも悪くない。

天谷さんの大学時代の後輩とそのご友人。リトルトーキョーでも新しい世界が広がっている。

なぜ『すべらないBAR』をやることにしたのか、天谷さんに聞いてみた。

天谷さん「リトルトーキョーでBARをやってみたかったんです。すべらない話メニューがあれば初めて会った人同士でも、その話をきっかけに話しやすくなるかなと思いました」

すべらない話はあくまでも会話のきっかけ。プロの話芸をテレビで見るのもいいけど、ああだこうだと言いあいながら、みんなで場をつくるのもまた楽しい。

自分にも何か一つくらいすべらない話ネタがあるはず、と考えながらお店をでた。次回があれば、ぜひお土産話を持参したい。

2015.04.30 橋村望

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