カワイイの象徴、少女。
「間違いなく、ここは少女の街だ」
JR原宿駅を出て、竹下通りを歩きながら思った。通りを埋め尽くすのは、おそろいの花冠を付けた、チュールスカートを履いた、クレープをほおばる、アクセサリーを品定めする、少女たち……。
メイクも、服装も様々だが、皆一様に『少女』である。まるで少女の海を泳いているようであり、既に『少女展』の会場にいるようにも思えてきた。
少女展
5月31日(日)~6月6日(土) / 東京都 / デザインフェスタギャラリー原宿WEST館2階
海外からも注目を集めている、日本の「KAWAII(かわいい)」カルチャー。そのKAWAIIの発信地である原宿で、少女とは一体何なのか? を考え、少女の魅力を伝える展覧会が開催される。
現代作家23組が考える『少女』作品を展示するアートイベント。絵画、イラスト、写真、アクセサリー、フィギュアなど、約200点の『少女』をテーマにした作品が展示される。
デザインフェスタギャラリーでは、オリジナルであれば作品の審査を行わない。作品の評価をするのは来場した人たちだ。デザインフェスタギャラリー ・高橋さんによると、『少女』というテーマだけをアーティストに伝え、解釈はそれぞれの自由だという。
どんな作品が並び、来場者がどんな反応をするのか? それがある意味審査と言えるのかもしれない。高橋さんは「出展者、来場したお客様が満足していただけるものになれば」と語ってくれた。
また、原宿と言う場所柄、偶然『少女展』にマッチする装いの人もやってくる。取材中にも“原宿”を体現したような可愛らしい服装の女の子たちがいて、作品の一部のようだった。さらに外国の方々も多く訪れるそう。少女というテーマに新鮮味を感じ、非常に興味を持っている様子とのこと。
展示されるのは絵画、イラスト、立体など幅広いジャンル。また、アクセサリーなどの雑貨も多かったのが印象的だった。
ただ可愛いだけではなく、ダークで詩的なもの、エロスを感じるもの、レトロでキッチュなものまで、表現方法も多様だ。作品数も多いため、かなり見ごたえがある。
同ギャラリーでは、これまでに何度か『カワイイ展』を開催しているが、『少女展』は初の試み。参加アーティストには男性もいる。普段は女性モチーフを描かないが、今回の展覧会のために少女を描いた人もいるそうだ。
思わず「カワイイ!」と言ってしまうパステル系の雑貨、動物、オシャレな絵画。一口に『少女』と言っても、イメージや表現方法は全く異なる。