住まいが涼しくなる工夫をすれば、冷房は最小限でOK

「冷房は健康にいいもの」とは、近畿大学の岩前篤氏(建築学部教授・博士)。ただ、「直接体に冷気を当てたり、長時間、体を冷気にさらす」と健康にマイナスに働くそうです。

 

本来、冷房は体ではなく“部屋”を冷やすもので、冷房の効きをよくするために住まいを工夫することがカギ。家の中がもともと涼しい環境であれば、冷房を使いすぎなくても済むから安心というワケです。

岩前教授いわく、ポイントは住まいの断熱・気密化。夏、冷房をつけているときでも窓や玄関などの開口部からおよそ73%の熱が、外から流入するとの報告があります(※1)。つまり、開口部の断熱をしっかり行うことで、省エネモードで冷房をつけていても室内は十分涼しくなり得るのです。

例えば、身近にできる工夫としては、「すだれ」「よしず」を窓の外に設置して西日をカットすることなども挙げられますね。

 

なるほど~。実際、ネットで検索してみるとおしゃれな「すだれ」がたくさん見つかります。でも検索しているだけで満足してしまい、すだれの設置は明日からやろう、週末やろう、来月やろうと言っているうちに……え? もう秋? となってしまう筆者のような人間はもちろんのこと、根本から暑さ対策を考えたい人には、いっそのことプロに頼んで家を「クールリフォーム」してしまうという手もあります。

1日でできる! プチリフォームで上手に断熱・遮熱

LIXILでは、開口部から入る熱を防ぐことで室温ダウンや電気代カットを叶える1日施工のリフォームアイテムを充実させています。

たとえば、すだれのように直射日光を防ぐスタイルシェードは、太陽の熱を約83%カットし、年間冷暖房費が約3000円(※2)節約できるとの試算もアリ。思い切って、玄関ドアを小窓付きのタイプに変えて風通しをよくしたり、内窓を取りつけて断熱効果を高めるのもオススメです。ちなみに内窓設置リフォームの場合、今なら様々な商品等と交換できる省エネ住宅ポイントもついてくるそうですよ。

庭付きの家ならばオーニングを取り付けて、涼しさ+開放感いっぱいのテラスで子どもを遊ばせてもよさそうです。

暑さ対策は開口部より始めよ! 地球温暖化の影響で、年々厳しくなっていく夏。冷房を上手に使うには、住まいからテコ入れするのが正解なのでした。

(※1)出典:(一社)日本建材・住宅設備産業協会省エネルギー建材普及促進センター「省エネ素材で、快適な家、健康な家」より
(※2)年間暖冷房費:一般複層ガラス窓の場合■AE-Sim/Heatにより算出 ■2階建て/延べ床面積:120.07m2、開口率:26.8% ■4人家族 ■エアコン ■暖房:20℃、冷房:26℃・60% ■暖冷房運転:間欠運転 ■拡張アメダス気象データ2000年版の東京を使用 ■住宅断熱仕様:平成25年省エネ基準適合レベル ■居室の窓(9窓)にスタイルシェードを設置 ■居室の窓(9窓)にレースカーテン(和室は和障子)を併用 ■電気料金:27円/kWh ■単板ガラスの窓: デュオSG 一般複層ガラスの窓:サーモスⅡ.S 高断熱複層ガラスの窓:サーモスⅡ-H

出版社の営業事務、編集プロダクション勤務を経て2002年よりフリーライターに。育児雑誌をメインに、30代女性向けの恋愛コラム、ライフスタイルインタビュー、不動産関連情報、各種企業タイアップ記事などの構成・取材・執筆を行う。無節操な仕事ぶりが身上。