子育てで悩むことはあまりない

今、私は二男一女の父親でもあるのですが、子育てをしていて悩んでいることって、実はそこまでないんですよ。これじゃ記事にならないですかね、すみません(笑)。

それは、子どもたちに対して、こうでなくては困るという概念があまりないからかもしれない。

ただ、親として、子どもたちがどんな突拍子もない道に進みたいと言い出したり、「普通」という枠からはみ出るようなことがあったりしても、「それもいいんじゃない」と肯定してあげられるよう、親としての準備やトレーニングは常にしておきたいと思っています。

個性が真っ直ぐ伸びていくのを、親は邪魔しないこと

子育てをしていて痛感するのは、子どもは生まれながらに個性を持っているということです。

長男と次男、「それぞれこういうふうに育てよう」なんて考えていないのに、結果的に性格が正反対ですからね。個性は伸びる。けれど、思い通りに伸ばすことはできないと思います。

だから、その子が生まれ持った個性で、そのまま真っ直ぐ伸びていくのを、親はなるべく邪魔しないであげたいなと思っています。

もしも、お子さんの個性が見つけられなかったら、まずは他の子との「違い」をいっぱい探してみてください。

違いをたくさん見出して、それをどう強みにしていけるのかをお子さんと一緒に考えていってほしいのです。

たとえその違いがマイナスに思えることであっても強みにできるかもしれないし、例えマイナスでもそれを矯正してばかりいるよりは、良い所を伸ばすほうに労力を使ったほうがよっぽどいいですから。

「障害は個性」と言われるけど、私は全てにおいてそうとは思っていません。

私にとっての障害とは、最初はただの違いでしかなかった。
でも、その違いを認め、受け入れ、「他人と比べてこんな違いのある私には、いったい何ができるだろう」と考えた時、やっとそれを個性として捉えられるようになったのだと思います。

■乙武洋匡 プロフィール
1976年、東京都生まれ。大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)がベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、東京都新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を歴任、教育への造詣を深める。都内で、地域との結びつきを重視する「まちの保育園」の運営に携わるほか、2013年2月には東京都教育委員に就任、2014年4月には地域密着を目指すゴミ拾いNPO「グリーンバード新宿」を立ち上げ、代表に就任。2015年4月より政策研究大学院大学の修士課程にて公共政策を学ぶ。主な著書『自分を愛する力』(講談社現代新書)、『ありがとう3組』(講談社)、『だから、僕は学校へ行く!』(講談社文庫)、『オトことば。』(文藝春秋)、『オトタケ先生の3つの授業』(講談社)、『だからこそできること』(武田双雲氏との共著、主婦の友社)ほか。二男一女の父。

乙武洋匡 公式サイトtwitter

取材・文: 山本初美 / 写真:奈良英雄

(Conobie)

 Conobieは、子育て中のママパパやプレママのための、教育・お世話・しつけ・あそび・グッズ・健康・ライフスタイル・ファッション・美容・マタニティに関する情報が集まるメディアです。子どもの個性をのばすために必要なママパパ向けの情報がたくさんあります。