3歳までの腸内環境を整える際の注意点

ところで、有用菌を含む食品として、一般的にはヨーグルトやチーズ、味噌、醤油、納豆、漬物などの発酵食品がよく挙げられます。これらは、3歳までの幼児に与えてもいいのでしょうか?

また、スーパー大麦は、食物繊維は通常の大麦の2倍ほど含まれているといわれますが、幼児に与えてもいいのでしょうか?

松井教授「基本的に、離乳食期にはそれに準じて摂るようにしてください、噛む力も不十分ですし、味覚の発達、消化機能も十分ではありませんので、3歳を過ぎるまでは注意が必要です。

またヨーグルトやチーズなどの乳製品にはアレルギー症状が出ることがあり、初めて食べさせるときは少量から始め、食べた後しばらくお子さんの様子を観察してください。

皮膚に発疹が出たり、口の周囲が赤くかぶれたりすればアレルギー症状ですので、ひどい場合はすぐに治療が必要になります。早めに医療機関を受診してください。

また発酵食品であるチーズや味噌、醤油、漬物などは塩分が多くなりすぎるため、また、味が濃いため、将来、偏食になりやすいといわれますので、気を付けてください。

そして食物繊維は人の消化酵素では消化吸収されず、便や腸内の有用菌のエサになりますが、一度に大量に食べるのは、大人でも避けたほうがいいです。

グラノーラなどは粥風にやわらかくして少量から与える、さつまいもなどの野菜類の不溶性食物繊維は量を調整しながら与えるなどしましょう」

【取材協力】松井 輝明先生
帝京平成大学 健康メディカル学部 健康栄養学科教授
日本大学医学部卒業。医学博士。日本大学板橋病院消化器外来医長、日本大学医学部講師、准教授を経て2013年より現職。2001年厚生労働省薬事食品衛生審議会専門委員、2003年内閣府食品安全委員会専門委員。消化器一般、機能性食品の臨床応用を専門に研究する。