赤ちゃんの離乳食、「どうして食べてくれないの?」と思うこと、ありますよね。

でも、毎回の食事の中では、そうトントン拍子にはいかないことが多いもの。少し気楽に構えていいのかも!?

赤ちゃんの成長と、上手に離乳食を進める秘訣を、大学や専門学校の講師をされている管理栄養士の太田百合子先生に伺いました。

赤ちゃん時代はさまざまな味に慣れていく段階。好き嫌いはあっていい

――離乳食をうまく進めるコツを教えてください。

太田百合子先生(以下、太田)「『楽しく食べる』ことですね。家族がおいしそうに食べていれば、赤ちゃんもつられて食べるようになります。無理強いすると、『嫌い』を作ってしまうことがあります。

そして、生活リズム。離乳食を食べる前にはお腹が空いているリズムを作ること。一緒に遊んだり、お散歩に出かけたりして、授乳もある程度規則正しいリズムにします。お腹が空いていれば少しくらい苦手そうなものも食べてくれます。

味付けは、素材のもつ味を生かしながらできるだけ薄味にしますが、赤ちゃんは甘味とうま味が大好きなので、かぼちゃや玉ねぎなどの甘味のあるものやかつおや昆布などのだし、豆腐や魚などのたんぱく質のうま味を上手に使いましょう。

なじみやすい味のものを少しずつ加えていき、いろんな味を知っていくことが味覚の発達につながります。

9カ月頃になると食欲不振になりやすいと覚えておきましょう。これは、体重の増え方が停滞するのでエネルギーをそれほど必要としないからです。そんな時期がきたと思っていてください。

喉につかえそうになることは比較的多いものですが、あまり食べづらいものばかりだと食べなくなることもあるので固さ、大きさが適当かどうか時々確認しましょう。

4歳まで危険なものは、お餅やこんにゃく入りゼリー、チーズなどの弾力がある固めなもの、りんごやにんじんなどの一口サイズの水分が少なく固いもの、またピーナッツなどの豆、あめ玉、ミニトマト、ぶどうなどの丸いものも十分気をつけましょう。

長い目で見れば、好きな食べ物、嫌いな食べ物はどんどん変化をするものですから、あまりイライラしないで子どもの成長を待ったほうが気は楽になります。いろいろな経験を経て、小学校に上がる頃にはわりとなんでも食べられるようになるのです。

『なんとか好き嫌いなく食べさせたい』とか『しつけができていないと見られそう』なんて思わずに、いずれ食べるようになるとおおらかに構えましょう」

自分で食べ、いろいろなことを感じとる経験が大切

――赤ちゃんが自分で食べられるようになるのは、いつ頃なのでしょうか。

太田「自分で食べ物に興味を持って触り出す、食べたい意欲が出てくるのは、9カ月頃から始まります。

それまでは唇がセンサーだったのが、指先がセンサーに変わってきます。最初は、『握る』というよりは『触れる』。つぶれるとまた、つぶしたくなったり、グッと強く押してみたくなったり……大人から見れば食べ物で遊んでいるように見えますが、口に入れるまでにいろいろなことを体験しています。