2.「がんばって!」ではなく「がんばってるね~」
子どもを励ますとき、成果を出してほしいとき、「がんばって!」と声をかけるママもいらっしゃると思います。
日常的に何気なく使ってしまうこの「がんばって」という言葉、男の子には気持ちを奮い立たせるのに有効なのですが、女の子には逆効果になってしまうことがとても多いです。
がんばっている子の場合、「もう十分がんばっているのに、ママは分かってくれていない!」という気持ちになり、心を閉ざしてしまうのです。
女の子には「がんばって!」ではなく、「がんばってるね~」と声をかけるほうが効果的です。
がんばっている子の場合、「ママは自分のことを分かってくれている、ちゃんと見てくれている」と思い、よりがんばるようになります。
実はあんまりがんばっていなかった子の場合は、「ごめんね、ママ、実は…」と、がんばっていなかったこと、がんばれなかった理由を打ち明けてくるでしょう。そしたら、その話をちゃんと聴いて、共感を示してあげてほしいのです。
自分の気持ちを吐き出し、それを聴いてもらえたら、女の子たちはすっきりして、また自分と正面から向き合って課題や問題に立ち向かおうとするはずです。
女の子の叱り方はココに注意!
次に、女の子を叱る場合に注意したいことについて伺いました。
1.人格否定ではなく「行動」を指摘する
子どもを叱るとき、「どうしてそんなに意地悪なの?」「だらしないわね」「あなたは本当にダメな子ね」などと人格を否定する言葉を使うのはNGです。
これらの人格否定は、「自分という存在を丸ごと受け入れてもらえている」という『受容』の姿勢とは程遠いものです。
女の子たちの心は深く傷つき、自己肯定感も低くなるばかりです。
叱るときは、人格ではなく「行動」を指摘しましょう。そして、「なぜその行動がダメなのか?」「どうしたらいいのか?」という理由も明確に伝えてあげましょう。
- 「お友達におもちゃを貸してあげようよ。自分もおもちゃ貸してもらえなかったら嫌な気持ちになるし、貸してもらえたら嬉しいでしょう」
- 「お部屋が散らかったままなのは、だらしなく見えてしまうよ。遊び終わった後は、お部屋はきちんと片付けてね」
このように行動を指摘すると、ちゃんと分かってくれます。心を無駄に傷つけることもありません。
2.大きな声や音は出さず「静かに」「丁寧に」伝える
女の子は大きい音や声が苦手です。大きな音や声は、脅威に感じます。トラウマになる子もいます。なので、叱るときには、大きな声や音は出さないようにしてほしいと思います。
私も現役で担任を受け持っていたとき、生徒を叱らなければいけない場面がたくさんありましたが、どんなときも感情的にならないよう注意し、真剣に向き合うようにしていました。
感情的になると、どうしても声が大きくなってしまいますし、言葉も乱暴になります。
また、こちらが感情的になると、女の子も同じように感情的になるのです。そうなるとまったく話になりません。
静かな口調で丁寧な言葉使いで伝えたほうが、ちゃんと聴く耳を持ってくれますし、こちらの言いたいことを正しく理解してくれます。
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女の子を子育て中のママは、女の子の子育てについて、リリー由梨さんのお話は具体的で、とても参考になったのではないでしょうか。
『受容』と『共感』を忘れずに、女の子の成長を支えていきたいですね。
【取材協力】リリー由梨
株式会社PLANET blanc. 代表取締役。女子教育専門家。「タフでエレガントな女性育成塾」を主宰。
大学卒業後、オーストラリア教育庁のもと現地の小学校へ日本語教師として赴任。英語で日本語や日本文化について授業を行う。帰国後、13年間、公立や私立の学校にて教壇に立つ。
ある年女子校へ赴任した際、今までの共学の女子との明らかな違いに衝撃を受ける。女子校にポテンシャルを感じ、アカデミックに研究すべく大学院へ進学。研究は「アメリカの女子校教育について」。修了後、関西の名門女子中学高等学校へ英語の専任教諭として就職。
現在は13年間の中学高校での教育現場で得た体験と大学院での「女子校」研究を活かし、女子教育専門家として活動。また、得意なコーチングで”タフでエレガントな女性”を育成する英語塾を開講している。