どうみてもロックバンドな
イケメン牧師たち

熱すぎる対バンの舞台裏に潜入。非常階段で“アーティスト写真”撮影。

牧師ROCKS楽屋に行ってみると、キャソックを着用し準備万端な牧師の関野さん。こんなイケメン牧師がいたら、うっかり改宗してしまうかもしれない。危うく心の歴史の教科書に「2015年 イケメン牧師による改宗」が記されるところであった。

非常階段でバンド写真の撮影をさせてもらった。スペースがなかったのでやむを得ず階段を使わせてもらったのだが、思いのほか“アー写”な仕上がりになった。革ジャンを着ている人もおり、どこからどう見てもロックバンド。

牧師バンドメンバー(敬称略)
笠原 光見 Gt. and Vo. 日本ルーテル教団浦和教会
関 満能Vo. and Gt.日本福音ルーテル水俣教会・八代教会
関野 和寛 Bass. and Vo. 日本福音ルーテル東京教会
市原 悠史 Dr. and Vo. 日本福音ルーテル甲府・諏訪教会

坊主バンドの終演間際、「お坊さんたちとハイタッチしよう~っと」と言って、楽屋入り口で『出待ち』する牧師さん。両者ニッコニコでハイタッチし、握手する。なんて平和で美しい光景なのだろうか。

ゴリゴリロックで迷える子羊を救うぜ!

牧師ROCKSの登場を待つステージには、大きなバンドロゴ。ロゴもかなりの豪華メンバー。キリスト(中央ドラム)、ルター(中央上)、カルヴァン(右)、メランクトン(左)。讃美歌とともに登場した。

仏教にしても、キリスト教にしても、宗教と音楽はかかわりが深い。その中でも特にルーテル教会(ルター派)は、有名な音楽家に縁がある教会なのだそう。バンドを組むのも自然な流れだろうか?

スモークが炊かれ、鐘の音とエレキギターが鳴り響く中、牧師ROCKSメンバー登場。なにこの救世主感! 曲は 「On The Rocks-A Mighty Fortress-」、なんと作曲はマルティン・ルター! 讃美歌267番 「神は我がやぐら」をアレンジしたものなのだ。

曲もロックならMCも過激だ!

ロックど真ん中だが、歌詞は「父なる神と~ 子なるキリスト~♪」思いっきり正統派。 やっぱりサビはアーメン。アーメンの声が小さいと「それじゃ救われないだろ!」と関野さんが煽るあおる。

「くせぇ……。お前たちじゃねぇ、ステージがお線香くせーんだよ……。それだけならまだしも、生ぐせぇ……。そしてこの世のキナ臭さもある」と笑いを取りつつも、社会の現状に真剣に心を痛めているようだ。

こうした目立つ活動をしていると、直接批判的なことを言われたり、SNSやインターネットで叩かれることも多いそうだ。牧師さんでも悩むことはある。関野さんは8月のある日、坊主バンドの藤岡さんに電話を掛けた。

ちょうとその日はお盆のど真ん中、電話の向こうで木魚の音が聞こえたので早めに切った。すると、その後、藤原さんから「大丈夫?」というメッセージが送られてきたそうだ。

「俺はあの時救われたね。今日、セクシーJも大事なものを洗ってくれた。俺もできれば皆の心を洗いたい、救いたい」と話す関野さん。

牧師たちの願いは
「人を幸せにすること」

「教えてよ、牧師はロックだって!」という関野さんの言葉に続いて、『牧師ROCKSのテーマ』が演奏された。歌詞の中に“Dashbord on Jesus Christ head banging all the way”という一文があるのだが、これは実際にドラムの市原さんの車に、キリストの人形があることに由来するそう。天国までのハイウェイ、ぶっ飛ばそうぜ!! という、痛快なロック。

それぞれ離れた土地で働く牧師ROCKSのメンバー。4人がそろうことはまれで、今回のライブに向けての練習は2回しかできなかったそうだ。それでも仕事の合間に時間を見つけてはそれぞれ練習を重ね、彼らはここに立っている。 

この人たちはいつだって、平和について、そして人を幸せにすることについて考えているのだろう。

<牧師ROCKSセットリスト>
1.TRINITY
2.十字の命
3.ベロニカ
4.Underdog
5.祝福
6.牧師ROCKSのテーマ
7.どこまでも