綾野剛の単独初主演の医療ドラマ『コウノドリ』。『週刊モーニング』に連載中の鈴ノ木ユウさんの同名漫画が原作となっており、単行本の累計部数は150万部の人気作。また、ドラマも大変な反響で、今秋ドラマの話題作の一つと言えます。

同作は、ある産科医をモデルに作られており、「切迫流産」「人工妊娠中絶」といった重たいテーマを扱っていますが、リアルな医療の現場を描いており、放送の度に出産経験のある女性からの共感の嵐。「涙腺崩壊した」「感動した」という声が、毎回溢れています。

また、

“君はこれから人より何倍も辛いことがあるかもしれないね、けどね、君はいつか人の何倍も何十倍も幸せになることだってできるんだ。負けるなよ。生まれてきておめでとう”

“普通ってのは、実はものすごく恵まれているんだよ”

など、同作品から生まれた名台詞は、数え上げるときりがありません。

では、同ドラマはなぜこんなにも感動してしまうのでしょう。そこには制作陣の徹底した“リアリティ”へのこだわりがあるのではないでしょうか。

徹底したリアリティの追求

通常、医療ドラマでは、生後間もない赤ちゃんのシーンには、色んなリスクを考えて生後2~3カ月の赤ちゃんが登場します。ここで「あ、何か違う……」と気付いてしまう人は、少しドラマから距離をおいてしまいますよね。

しかし、今回のドラマでは本物の未熟児が登場しているのです。

もちろん、産婦人科医の指導を受け、スタッフ全員がマスクを着用し、赤ちゃん登場は本番のみ。万全の体制で撮影しています。

本物の未熟児が登場することで、作品にのめり込んだ視聴者の気持ちを離さないようにしているのです。

また、施術シーンの撮影にもこだわっており、医療関係者が見ても違和感がないレベルに。こちらも医療指導の専門家がつきっきりで指導して、リアリティを追求しています。

同作の主人公・鴻鳥サクラのモデルとなったのは、現在、大阪府泉佐野市のりんくう総合医療センター泉州広域母子医療センター長を務める荻田和秀さん。自著『ダンナのための妊娠出産読本』の中で、漫画『コウノドリ』のリアリティについて語っています。