子どもにとってプラスになる幼児教育とは?

アメリカの調査は、主に貧困層を対象とした調査ですから、すぐに日本の子ども達にも当てはまるとは言えないかもしれません。

けれど、この結果は、実は筆者も昔から危惧していたことの一つでした。

筆者の場合は英語教育がメインになりますが、幼児期から読むことや書くことを教え込もうとする親が少なからずいました。いわゆる学校の先取り教育です。

そうすると、確かに学校で習い始めの頃は、テストの成績は良いのです。けれど、その時点で、子どもは「自分は勉強しなくてもできる」と思い込んでしまいます。
知っていることばかりだからと真面目に授業を聞かなくなり、気がつけば周りに追い越されているのです。

しかも知識偏重の教育を求める親の中には、子どもに遊ぶ時間さえ与えない人もいます。「遊ぶ暇があったら勉強しなさい!」と言うのです。

このような教育を受けた子どもは、幼児期に人と交わる訓練ができていませんから、協調性や人に対する思いやりなどの社会性が育ちません。
また感情のコントロールができないことも多く、人とうまく関わることができずに、仕事も長続きしないのです。

最近では、学習面の知識を詰め込むより、遊びなどを通して、社会性や情動面を育てる方が、良い成績につながるという研究もあります。

子どもにとってプラスになる幼児期の英才教育とは、頭(知識)だけではなく、心も身体もバランスよく育てることが大切。「よく遊び、よく学べ」なのです。

 

Early Academic Training Produces Long-Term Harm

 

「元日本航空CA、英語プリスクール経営者、保育士。幼児教育研究家として『日本欧米いいとこどり育児のススメ』をYouTubeでも発信。著書に『グローバル社会に生きる子どものためのしつけと習慣』『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』『モンテソ―リ教育で伸びる子を育てる』、『ホンマでっかTV』に子ども教育評論家として出演など。」