擬人化は日本のお家芸!? 現代アニミズム論
2015年1月、DMMゲームズとニトロプラスが共同製作した『刀剣乱舞-ONLINE-』(とうらぶ)が正式リリースされました。ゲーム内には、日本刀をイケメン男子に擬人化した「刀剣男子」が登場。オタク気味の女子たちを中心に圧倒的な支持を得ています。
『刀剣乱舞-ONLINE-』の前身である『艦隊これくしょん -艦これ-』も、2013年のリリース以来、現在に至るまで人気が衰えません。こちらは、軍艦を美少女に擬人化した「艦娘(かんむす)」を集めて育てます。男性ファンが多いゲームですね。
さて、『刀剣乱舞-ONLINE-』や『艦隊これくしょん -艦これ-』の大成功を背景に、最近では擬人化がブームです。ウルトラシリーズに登場する怪獣たちを美女化する「ウルトラ怪獣擬人化計画」まであるんですね!! フィギュアやグッズなども販売され、ヤバチケでも取り上げました。
2015年には、東京と大阪で「ウルトラ怪獣擬人化計画」の原画展が開催され、人気投票まで行われました。もはやアイドルの総選挙!(笑)
ところで、擬人化はどうやら日本の文化と相性がいいようです。『刀剣乱舞-ONLINE-』の「刀剣男子」は「付喪神(つくもがみ)」の一種とされます。付喪神は、長い年月を経た道具に神や精霊などが宿って妖怪化した存在。この付喪神伝承の背後には、日本古来のアニミズム信仰があるともいわれます。日本人は、太古の昔から自然や無生物に人格を見出し、「八百万(やおよろず)の神々」といって拝んでいました。
現代のアニミズム信仰ともいえる擬人化はフェチにも結びつきます。真正フェティシズムの人たちの中には、性愛の対象となるものを“愛人”として扱う人もいます。たとえば、靴フェチの男性は、収集したハイヒールそれぞれに名前を付けて(以下略)。
大腸菌擬人化アプリ『うんコレ』が話題になる時代です(笑)。擬人化がフェチ方面で更なる進化を遂げそうです。
制服も競泳水着も大好きです
少し前までは、「制服や水着が好きなんです!」と言う男性は変質者扱いされました。実際、学校などに侵入して制服や水着を盗む輩は後を絶たず……。事件を面白おかしく報道するメディアの影響もあり、衣類フェチへの偏見が根強くありました。とはいえ、そんな偏見も最近は薄れてきました。好きなものを「好き!」と言える時代へ突入!?
たとえば、神田・神保町画廊で開催された「イラストと写真で綴る 制服図鑑」。
作品を展示した森伸之さんと武井裕之さんは、2人とも大の制服好き!!
森さんは、制服ファンのバイブル『東京女子高制服図鑑』(弓立社)の著者でもあるイラストレーターです。一方、武井さんは、制服少女を撮影し続ける写真家です。そんな2人が制服をモチーフにした作品を展示。共感した人たちが神保町画廊に詰めかけました。
セーラー服やブレザーは、誰もが経験する学生時代の象徴です。それは、恋や友情、進学など、さまざまな思い出の象徴でもあります。学生時代に強い思い入れのある人たちは制服を愛好し、フェチの虜になるのでしょう。
一方、スクール水着ファンは昔からいましたが、競泳水着が注目を集め始めたのは最近です。競泳水着は、近年、コスROMイベントなどで一大ジャンルとなっています。中でも特に熱かったのは「撮り放題!競泳水着カフェ」!
2015年10月で4回目の開催となった「撮り放題!競泳水着カフェ」は、毎回満員御礼の大盛況。紳士的なお客さんたちが集い、和気藹々とした雰囲気の中、撮影と交流を楽しんでいました。女性客の姿もあり、競泳水着ファンの広がりを感じました。
競泳水着には、フェチ魂をくすぐる魅力がいっぱい!ボディラインやヒップラインがくっきり浮き出る密着感、生地の質感や光沢感、REALISE製フロントジッパー競泳水着の斬新なデザイン……。競泳水着は着用者の美しさを引き立てます。
2020年には、夏季オリンピックが東京で開催されます。今後、競泳水着のようなアスリート系コスチュームのフェチが増えそうです!