“性”の境界もひとっ飛び!元セクシー女優・大島薫の大活躍
2015年は、「LGBT」が注目された年でした。LGBTは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(性同一性)の頭文字を合わせた用語です。
国や地方自治体も、LGBTを初めとする性的マイノリティへの配慮を始めました。4月30日、文部科学省は「性的マイノリティの子供への配慮」を国公私立の小中高校などに通知。11月5日、東京都渋谷区では、同性カップルを結婚に準じる関係と公的に認める「パートナーシップ証明書」の交付を開始。今や、性的マイノリティも“個性”と認められる時代です。
そうした時代背景のもと、“性”の境界を超越した大島薫さんが大活躍しています。
大島薫さんは、2014年以降、Twitterを中心に話題となりました。男性でありながら女性と見まがうほどの美しさ。ホルモン注入や性転換手術を一切行っていないというから驚きです。
大島さんは、“セクシー女優”として、「男の娘」「女装子」などのジャンルで数々の作品に出演。2015年には、日本最大のアングライベント・デパートメントHで水槽ガールを務めたり、「水龍敬ランド×フェチフェス」に出展したり……とイベント参加にも積極的でした。
2015年6月、セクシー女優としての活動を卒業した大島さんは、タレントとしての活動をスタート。その前後に大阪と名古屋で開催された「大島薫展」も大好評でした。
そんな大島さんは、自分がバイセクシュアルであることや撮影で経験してきたことなども公言。そこには、“性”で自分をカテゴライズするのではなく、“自分らしさ”を大切にしてほしい、というメッセージが込められています。
大島さんの活動は、“自分らしさ”を求める人たちに勇気を与え続けています。
変身願望の果てに…ファッションの街・原宿とゼンタイ
大島薫さんは“性”を超越しました。最近では、“性”どころか、“人間であること”すら超越したい人たちも増えている印象があります。イベント取材を通して、「人間以外のものになりたい」と言うアーティストさんたちと出会うことが多かったからです。
変身願望はさまざまなフェチと結びつきます。ボディペイント、マスク、身体改造、ラバー、ドーラー、着ぐるみ……。中でも、「全身タイツ」通称「ゼンタイ」は有名ですね。
ゼンタイは、頭からつま先までをすっぽりと布地で包む衣装です。ピッタリ張り付く布地の感触、息苦しさや拘束感、奪われる視界など、フェティッシュな体験をもたらします。また、パフォーマンスなどで使用されることもあります。
このゼンタイを「明るく、ポップに」普及するため、ユニークな活動を展開しているのがTOKYOZENTAICLUBです。定期的に開催されるゼンタイイベントに加えて、デザインフェスタでの出展、各メディアへの露出などを通して、TOKYOZENTAICLUBは国内外で知名度を上げています。
そんなTOKYOZENTAICLUBが、2015年のゴールデンウィーク期間中に、原宿・デザインフェスタギャラリーで「ZENTAI ART」を開催しました。
「ZENTAI ART」のコンセプトは「ゼンタイを見て!触って!着て!」。一般の人たちにゼンタイを知ってもらうためのイベントでした。
「ZENTAI ART」では、ゼンタイ着用者が原宿を練り歩くゼンタイ・ウォーキングも行われました。カラフルなゼンタイはファッションの街に溶け込み、大人から子どもまで、男女問わず、ゼンタイに興味津々。外国人も記念撮影を楽しんでいました。
ゼンタイにはさまざまな使い方があります。フェティッシュアイテム、ファッション、コスプレ、コミュニケーションツール……。そうした中、個性を消すためにゼンタイを着る人たちもいます。
個性の大切さが強調される現代の日本社会は、“自分らしさ”を望まない人たちにとっては息苦しいだけ。「個性を捨て去りたい」「自分以外の何者かになりたい」という彼らの変身願望が行き着く先もまたフェチなのです。
“首輪女子”が新たなブームに
2015年は、“首輪女子”が新たなブームとなりました。
4月にTwitter上で開設された「首輪女子協会」が5月の『日刊スパ』で紹介され、“首輪女子”が多くの人たちに知られました。6月の「ひと首輪展」では「首輪女子モデルオーディション」が行われ、11人の首輪女子が写真集モデルとして選ばれました。11月には「ひと首輪展その2」開催。とても女子率の高いイベントでした!
現在の日本は女性の社会進出を後押しします。法整備も進み、女性議員や女性社長が増えたり、女性の採用枠も拡大したりと、女性の活躍が目立ってきました。そこでは、男性と同レベルの“自由”を女性も獲得することが目標とされます。
一方で、孤立する女性のニュースも絶えません。稼ぎの少ないシングルマザーや介護に疲れ果てた女性は、誰にも助けを求められずに苦しんでいます。“自己責任”とセットで語られがちな“自由”は危ういのです。そんな“自由”よりも、不自由ながらも人の温もりが感じられる“つながり”の方が、時に人を安心させます。
「ひと首輪展」でのインタビューを通して、“つながり”の象徴として首輪を愛好する首輪女子たちに出会いました。ポップなファッションとして流行する首輪。その背後には、 “自由”へのアンチテーゼがあるのかもしれませんね。
大都会に現れた「水龍敬ランド×フェチフェス」
『おーくぼんぼん』で話題となったフェチフェスは、4月にも一大事件を起こします。超売れっ子漫画家・水龍敬先生とコラボし、新宿のど真ん中に「水龍敬ランド」を作ってしまいました!
「水龍敬ランド」とは、超売れっ子漫画家・水龍敬先生が中心となって考案した夢のテーマパークです。ネット上で拡散され話題となりました。そんな架空の「水龍敬ランド」がリアル世界に実現!会場前に長蛇の列ができるくらい大好評でした。
さて、「水龍敬ランド×フェチフェス」の功績は、一般向けエンターテイメントとしてフェチを発信したことにあります。フェチというと、暗くてマイナーなイメージがつきまといます。そのイメージをがらりと変えたのが「水龍敬ランド×フェチフェス」でした。
これ以降も、フェチフェスは、さまざまなジャンルとのコラボを実現していきます。9月には、クラブイベントとコラボした「フェチフェス910(ナイト)」のVol.2を開催。年一回のお祭りは、夏の風物詩として定着しつつあります。
11月には、「フェチ」をテーマにした映像作品を集めた「フェチフェスアンダーグラウンド映像祭」を初開催。「映画」という一大アートジャンルにフェチフェスが切り込みました。
フェチトレンドを牽引し続けるフェチフェスの可能性は無限大です!