自分の気持ちをコントロールする力の育て方4つ
1.ハードルの低い次なる手段や約束を提示する
子どもの要求をすぐに聞き入れてしまってはいませんか?
「すぐに子どもの要求を受け入れるのではなく、”小さな約束をする機会”を作って欲しい」と林さん。
例えば、未就園児の子どもですと、抱っこを求めてくることも多いですよね。そのときに、すぐに抱っこせずに、”子どもになぜ抱っこして欲しいのか?”を聞いてみてください。(ママが気持ちを代弁して言ってあげるのでも十分です。)
そして、「10歩歩いたら抱っこね」などと約束し、叶えてあげましょう。そうすることで、”我慢をする経験”をさせてあげられるのです。本当に小さなことですが、日々のこういった積み重ねがとても大切なのです。
2.子どもの感情を受け止め、定義付けてあげる
自分の気持ちをコントロールする力は、嬉しい感情や悲しい感情など喜怒哀楽をしっかり出すことから育っていきます。
どの感情を出す経験も必要ですが、その後のママの対応に重要なポイントがあると教えていただきました。
「まず、どの感情もしっかり受け止めてあげるということ。そして、今、子どもが出している感情はどういったものなのか、ママが受け止めた後、言葉で定義付けてあげるといいですね。」と林さん。
例えば、子どもが怒っていたら、「○○されたら、怒りたくなるよね。怒りたいときは怒ってもいいけど、そんな風に怒っていると、ママは悲しい気持ちになるよ。」などと伝えてあげてください。そうすることで、子どもが出している感情はどういうものなのか、そしてまわりはどんな気持ちになるのかを理解することができます。
さらに、その後どうしたらいいのかを伝えると、子どもは気持ちの切り替え方を身につけることができるのです。
3.友達とのいざこざを経験させる
公園や児童館などで必ずと言っていいほど起こる、”友達とのいざこざ”。
筆者も娘が小さい頃、児童センターに行きましたが、「出来ればトラブルを避け仲良く遊んで欲しい。」と思ったものです。
ですが、林さんは、「小さい子どもたちの物の取り合いほど、感情のコントロールを経験する良い機会はありません。」と言います。確かに、物を独り占めしてはいけないということ、譲ることや駆け引きをすることなど、一度にたくさんの気持ちや学びを得ることができます。これは、家でのひとり遊びや大人との遊びでは経験できません。
「いざこざがあってもすぐに出て行かず、どうしても埒があかないときだけ、ママたちが出てくるくらいがちょうどいいです。」と林さん。
見ているとドキドキしてしまいますが、ある程度は見守ることも大切かもしれませんね。
4.ルールのあるリズム遊びで指示行動力の基礎を
幼稚園に入ると、先生の話を聞いて行動することになります。先生の話を聞いて行動するためには、少しだけ我慢も必要になってきますよね。
それは、家でのちょっとした遊びでも育てていくことができるそうです。
例えば、ママの真似をして手を叩く遊びや、ママが野菜の名前を言ったときに手を叩くといった、少しルールをつけたリズム遊びがおすすめです。こういう遊びを通して、指示行動力の基礎が育ち、我慢する力もついてきます。そして、入園後も先生のお話をしっかり聞いて行動できるようになるのです。
難しいことや子どもを抑え込むようなことはしなくても、自分をコントロールする力が育っていきます。入園後、園での生活にスムーズに入っていけるよう、日々の関わりや声の掛け方を気をつけてみてはいかがでしょうか。
<取材協力>
林智代乃:英語が苦手ママでもできるバイリンガルの育て方講師
幼稚園教諭・児童英語講師・海外現地幼稚園での研修を活かし、バイリンガル子育てを実践する1児のママ。日本語メインの生活の中、自身の子を1歳半には言いたい事を独力で日英どちらでも文章立てて言えるバイリンガルに。その方法をママたちに伝えるセミナー等をしている。
日々、ブログ「英語が苦手ママも英語絵本と歌でできる!バイリンガルの育て方」にて情報を配信中。