子供には、男女を問わず自分のことは自分でできる、自立した人間になってほしい。子を持つ親なら、当然願うことだと思います。
そして、自立した人間に育てるために、「あれをしなさい」「これをしちゃダメ」などと、子どもに対していろいろとしつけをしようと試みて、子どもがその通りにしないとつい「なんでできないの!」「それはダメって言ったでしょう!」と怒ってしまう…。
そうやって自己嫌悪に陥ってしまう親も多いのでは。
ですが、そのしつけの多くが、親が「こうあってほしい」と思っている願望にすぎず、その通りにならないからイライラしてしまうケースがほとんどなのだそう。
そこで、「こうでないといけない」という親のこだわりを排除し、「テキトー」さを取り入れることで、子どもも伸び伸びと自立心が育って親もイライラしなくなるという育児法を育児法を提唱しているのが、未就学児を育てる親へのアドバイスを行う「ハッピーエデュ」代表のはせがわわかさんの著作『1人でできる子になるテキトー子育て 世界トップ機関の研究と成功率97%の実績からついに見つかった!』です。
今回は本書より、子どもの自立にとって実はNGな生活習慣について5つご紹介します。
早寝早起きにこだわる
子どもは早寝早起きが基本! そう思って、頑張って夜早く寝かそうとしているのに、子どもは「眠くな~い」と遊びたがって、全然寝てくれない……。そうなると、親もイラッとして「早く寝なさーい!」と雷を落としてしまいがちですよね。
ですが、本書によれば、「早寝早起きにこだわらなくてもいい」というのです。それよりも大事なことは、「毎朝、決まった時間に起きること」。それも、できれば7時までに起きるのが理想です。
赤ちゃんは未熟な体内時計を持って生まれてきます。生まれて間もない赤ちゃんは、昼夜を問わず寝たり起きたりを繰り返しますよね。
太陽が昇って明るくなり朝を迎えるころに起こされ、太陽が沈んで暗くなって夜を迎えたら寝かされる、その繰り返しで体内時計を少しずつ正しく調節していきます。
子どもの体内時計は大人よりもはるかに光に敏感。スマホやテレビの光、明るいお店の照明などでも体内時計は簡単に狂ってしまいます。
子どもの体内時計は2歳頃までに大体出来上がり、7歳を過ぎると修理が難しいと言われているそう。小さいうちから体内時計を地球に合わせてチューニングしてあげる必要があります。
まずは、毎朝決まった時間に起き、カーテンを開けて体内時計に「朝ですよ」と知らせてあげること。そうすることで、体内時計がリセットされます。
夜は、多少面倒でも「夜ですよ」という演出が必要。子どもが眠そうにしていたら明るいお店は退散し、眠る2時間前にはスマホやテレビもやめるのがベターです。
体内時計を地球に合わせてチューニングするだけで、早寝早起きを意識しなくても子どもは自然に眠くなり、朝もしっかりと起きられる体になります。
好き嫌いを気にする
子どもには食べ物の好き嫌いがない子に育ってほしい、というのもほとんどの親の願いでしょう。でも、野菜は食べない、ちょっと見たことのない食材だと食べない、そもそも食に興味がない……など、子どもの食にまつわる悩みは尽きません。
でも、「多少の好き嫌いがあっても気にしなくていい」と、はせがわさんは言います。
子どもの好き嫌いの判断基準の1つ目は「味」。
子どもは本能的に「苦味」「酸味」に危険を感じて避けようとします。これは成長と共にいろいろな味を体験することで嫌いなものを好きになることも多いので、今食べないものがあっても大丈夫だそう。栄養は他からも摂れます。
そして好き嫌いの判断基準の2つ目が「快・不快」。食べたことのないものを食べないのはこのためです。安全かわからないものを進んで食べようとはしませんよね。
一般的にいろいろな食べ物を出される子どもほど食わず嫌いにはなりにくいそうですが、毎回さまざまな食材を出すのも親としては大変。そんなときは、信頼している両親が同じものを一緒に食べるだけで、安全だと判断して食べられるようになることもあるとか。
自分が料理に参加することで、安全だと理解して食べられるパターンもあります。自分で切る、盛りつける、など準備に参加すれば興味がわくかもしれません。
はせがわさんのおすすめは「ゴマすり」。小松菜やホウレンソウなどの葉物は子どもが嫌いな野菜の代表格ですが、ゴマすりをさせて自分ですったゴマをふると、なんでも食べられるようになった子もいるそうです。
そして、自分で栽培した食材にも子どもは愛着を持ちやすいです。栽培できなくとも、お店で食材を選ぶだけでも立派な参加です。
また、食事の空間が楽しいものであるかどうかも大事。「早く食べなさい」「お行儀が悪いよ」「いつまで食べてるの!」など叱責されながらの食事は子どもにとっては苦痛ですよね。
いろいろな話をしながら、ポジティブで楽しい食事の空間を作ってあげることで、子どもの脳が「食事は安全」だという信号を送るようになります。