野良猫を上手に撮影するには?

――代表作ともいえる「鼻提灯ねこ」をはじめ、数々の奇跡的な瞬間も撮影されていますが、ずっと同じところに張り込んでいるのですか?
どちらかというとずっと待つのは苦手ですね。歩き回って、たまたま遭遇した場面を撮影することが多いです。ここに猫がいたらいいなぁ、という場所にひたすら通うこともあります。夕日をバックに猫がたたずんでいる写真は、3日間通って偶然撮影できました。

――撮影のコツなどはありますか?
いきなり写真を撮るのではなく15分くらいじっとしています。このとき猫と目は合わせません。目を合わせると逃げられちゃいます。しばらくその場にいると、風景としてなじんでくるというか。危害を加えないと分かれば撮影しても逃げないですよ。

フォトギャラリーあっちもこっちも“モフモフ”な「ねこ休み展 冬2016」の“スター猫”たち【写真満載】

今回のテーマは“人間くさい猫”の瞬間

――撮影した中で印象に残っているエピソードはありますか?
竹富島で撮影していたとき、2匹の猫が寄ってきました。それだけでも良い写真が撮れたのですが、彼らが自然にポーズしてくれました。しかも、それぞれが木の上に座って左右対称になるように。気持ちが通じたようでとても嬉しかったです。

――今回の展示の見どころなどを教えてください。
今回は「猫ぽとれ。」がテーマです。あえて背景はぼかし、猫が主役になっています。人間くさい猫たちを見てください。企画が「ねこ休み展 冬」ということで、秋から冬にかけて撮影したものが中心です。

――こうしたリアルな場で作品を展示することは、SNSとどのような違いがありますか?
大きく写真を引き伸ばすと印象が変わりますね。また、ファンの方のリアルな反応を見られるのが良いです。それまでは文字でしかやりとりがなかった人に直接感想を聞けたり、話ができたりするので。実際に会えるのは嬉しいですよね。やっていてよかったな、と思います。

――今後、どんなところで撮影をしたいですか?
ヨーロッパの街並みです。南イタリアやマルタ島に行ってみたいです。それから、雪と猫を撮ったことがないのでそういう作品も撮ってみたいです。これから春になったら、菜の花や桜と猫もいいですね。4月から5月くらいに行けば、子猫もいるんじゃないかなぁ。