5: 食事中の所作は?

グラスをとるなど、腕を伸ばすときには、伸ばす手と逆の手で、袖口をおさえましょう。

腕が丸見えになると、品が無く、豪快に見えてしまいます。

浴衣が汚れないよう、手ぬぐいやハンカチなどを膝にひろげてからいただくといいでしょう。

たこ焼きや焼きそばなど、花火大会の定番メニューを食べるときにも、汚れに気をつけて。

「懐紙」という和製紙ナプキンがあるのをご存じですか? ソースが垂れてしまわないよう、箸を持つ手と逆の手で、懐紙で受けるようにして食べると安心です。

6: ペットボトルのドリンクを飲むときのコツ

夏のお出かけは、ペットボトルのドリンクを飲むことも多々ありますが、和装とペットボトルとはミスマッチですよね。片手でつかんだペットボトルをごくごくと飲む様は、浴衣には合いません。

品よく見せるには、ボトルを持った手と逆の手を、ボトルの口元に持っていき、隠すようにそっと添えるとGood。

動作を小さくすることを心がけ、ひと口づつ飲むとさらにエレガントです。

7: トイレに行くときには

浴衣でのトイレ、せっかく着付けた浴衣がくずれないかと、不安になりますよね。着くずれしない方法を、マスターしておきましょう。

ポイントは、裾を帯にはさむこと。

以下のように、順を追って裾の上げ下ろしをすれば、着くずれしません。

【1】上前(前を重ねたとき、上にくるほう)を持ち、裾を帯にはさむ
【2】下前(前を重ねたとき、下にくるほう)を持ち、裾を帯にはさむ

用を足したら

【3】下前を持ち、裾を下ろす
【4】上前を持ち、裾を下ろす
【5】おはしょりがめくれていないかチェック

焦らず、順番に上げ下ろしすることがポイントです。

手を洗うときには、浴衣を濡らさないように気をつけて。袖口はもちろんのこと、濡れた手洗い台に身体が触れ、前を濡らしてしまった、なんてことがないよう注意してください。



浴衣を着たときの、美しい振る舞いについてお伝えしました。

こんなにたくさんあるの? と感じたかもしれませんが、浴衣を着ていると自然にできる動きも案外多いものです。

この夏、ぜひ、浴衣でのお出かけを楽しんでくださいね。

 接客コンサルタント。ひとり一人の魅力を輝かせる接客マナーの専門家。資生堂ビューティコンサルタント、キッザニア東京スーパーバイザーのキャリアを経て、講師として活動。女性視点の丁寧さあふれる接客術は「すぐに実践できる」と高い評価を得ている。述べ3000人以上の指導経験を持ち、幅広く支持されている。