自身の“卒業”について
齋藤 不思議ですよね。男性のアイドルはけっこう長くやっている方もいるじゃないですか? でも、女性で30代、40代まで「アイドル」と呼ばれている方はあまりいないから不思議だなと思います。
私たちのファンにも生駒ちゃんが真ん中にいた初期からずっと応援してくれている方もいるし、いまは大きく変化しているグループなので戸惑っているファンの方もいるなというのはすごく実感していて。
そういう方たちを目の当たりにすると、どうしたらいまの乃木坂も受け入れてもらえるのかな? それは難しいことだなって感じることが多いですけど、初期のころのことをいまでも話してくださる方がいるのは私はいいことだなと思うし、現象としては美しいですよね。
ただ、自分のことになると分からないですが、“卒業”自体に私はそんなにネガティブなイメージを持っていないかもしれないです。
与田 七瀬さんの卒業コンサートのときは、私は本当に滝のように泣きました(笑)。
寂しいという気持ちがやっぱり大きくて、「寂しい、寂しい」と言ってすごく泣いていたんですけど、卒業されていく先輩たちは本当に前向きでキラッキラしているじゃないですか!
そんな姿を見ているうちに、私が「悲しい、悲しい」って言っているのは違うなと思うようになったし、先輩たちに安心してもらえるように頑張らなきゃいけないという気持ちもだんだん芽生えてきて。
自分の“卒業”についてはまだあまり考えたことがないですけど、そのときがもし来たら、輝いていた先輩たちのような姿で卒業したい。そうできるように、いまは頑張るだけです。
果たして、ふたりが“卒業”するときにはどんな表情をしているのだろうか?
『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』が炙り出すのは、その輝きに至る彼女たちの現在進行形の姿。
それはアイドルのフィールドに留まらない、20代前半の女性のリアル過ぎる生き様でもあるから、観る者の共感を呼び、多くの人の心を大きく揺さぶるのだ。