マイナス金利時代唯一のメリットは「住宅ローン金利」
預けたお金がマイナスにならないことは一安心ですが、超低金利が超超低金利になったため、100万円預けても1年後の利息は100円(税引き後は80円)しかもらえないことになりました。
マイナス金利なんて、何もいいことがないのでしょうか。
マイナス金利になってひとついいことがあるとすれば、住宅ローンの金利も下がっているということです。国の住宅ローンのしくみ「フラット35」の金利は過去最低水準をずっと維持しており、「低金利の借金」だったのですが、これがさらに低金利になっています。
住宅ローンは何千万円もの借金です。3000万円借りて年3%なら90万円の利息ですが、1%なら30万円ですみます。仮に30年返済をするなら、年3%の住宅ローンは総額4553万円も払うことになりますが、年1.2%の住宅ローンは総額3574万円を返すことになり、これはまったく違ってきます。
数十年の返済期間を考えれば少しでも低い金利は個人にとってうれしいことです。
銀行もマイナス金利時代に、少しでも住宅ローンを借りてもらおうと、低金利を提示し合っており、家を買おうと検討中であった人にはチャンスになるかもしれません。
また、すでに住宅ローンを組んでいる人は契約の見直しをすれば低利で借り換えるチャンスがあります。
マイナス金利時代、絶対に使ってはいけない2つの取引
マイナス金利の影響を簡単にまとめれば、「預金はマイナスにはならないが超超低金利になった」が、「住宅ローンも超低金利になった」ということになります。
このとき、何も変わっていない取引が2つあります。しかも、私たちにとってはむしろ大損になる取引です。それは「ATM手数料」と「パーソナルローン等の金利」です。
・ATM手数料
まず、ATM手数料です。銀行のATMの場合、時間外手数料がかかったり、コンビニATMの利用手数料がかかりますが、これは値下がりしていません。
銀行預金利息がただでさえダウンしている今、ATM手数料を払うと「実質マイナス金利」になってしまいます。
・パーソナルローン等の金利
また、住宅ローン以外の借金については金利が下がることはないようです。
パーソナルローン、クレジットカードのキャッシング、消費者金融、銀行系カードローンなどは、容赦なく高い利回りをかけ、利息を取り続けます。
この2つについては絶対にお金を払わないようにしてください。
さて、マイナス金利の影響を経済ニュースに興味のない人にも分かりやすくまとめてみました。お金の常識が変化している今だからこそ、うまくやりくりする方法を考えてみたいものです。