親との相性

結婚前に、相手の両親と顔合わせ。多くのカップルが経験することですが、そのときの印象が大切だというのは、誰しも想像できること。(筆者の母方の祖父は、父が結婚の挨拶に来た際の印象の悪さについて、30年以上経った今でも、こぼしていいます)

何十年も続く結婚生活、相手の親と良い関係でいられる方がいいに決まっています。でも、筆者の友人の婚約者は、彼女の両親との顔合わせの直後

「君の親と僕は、性格的に合わないね」

と言い、その後、結婚の準備を進めるうちに、少しずつ、彼の周囲への配慮のなさや身勝手さが目立つように……。

「結婚する二人が幸せならそれでいい」では済まないのが、今の日本の結婚。相手の親族と仲良くやっていくつもりがない男との結婚は、苦労が多くなります。そんな彼は「他者に合わせる」ことができない個性なのかもしれません。結婚すれば、親との関係も改善するよね、という楽天的な見方は危険。

価値観が違いすぎる

結婚を決めた彼とは、長い付き合いで、彼のことはよくわかっていたつもりでも、結婚がリアルになると、価値観の違いが浮き彫りになることもあります。

堅実な会社経営をする両親の元で育ったC美。彼女は、真面目で真っ当なタイプ。そんなC美に対して、彼の家族はブランド大好きで、ちょっと成金っぽい。お金の使い方もとっても派手。

彼の妹は20歳でバーキンを持ち、彼ママからA美へのプレゼントはエルメスのスカーフだったそう。でも、そのお金の出所は、なんだか怪しい商売だったとか。「ちょっと感覚が違うかも……」と感じていたのはC美だけでなく、C美の父親も、娘と育った環境があまりにも違う彼との結婚を心配していました。

その感覚の違いが、結婚式や結婚生活について、新郎新婦とその両親で話し合って行く中で、“対立”という図になってしまいました。対立すると、話をまとめるのが難しくなり、結婚は中止することに。

“違うからうまく行く”場合もありますが、育った環境と価値観があまりにも違うと、“幸せ”以上に、苦労が待っているかもしれません。


「結婚は勢いよ」と、人生の先輩たちは言いますが、もしも彼が、上記で紹介したような相手なら……。冷静さも失わず、自分の気持に正直に判断することが、幸せになるためのポイントではないでしょうか。

大学院卒業後、銀座のクラブホステスになるという異色の経歴の持ち主。「銀ホスライター」として、老舗クラブで磨いたコミュニケーション術&営業テクニックを、悩めるビジネスパーソンに向けて紹介。恋愛・結婚・出産など、女性にとって身近な問題を研究し「今よりちょっとだけ人生を豊かにする方法」を提案しています。