--それで輻射波動攻撃が生まれたん ですね。『反逆のルルーシュ』の本編をご覧になっていかがでしたか。

安田:後半に登場するメカデザインの作業を続行しながら、第1話と第2話を見たんです。ランスロットがバケモノみたいにかっこよかったです。話もおもしろかったので、こんなにおもしろい作品に参加できて良いのかと、ラッキーな気分でした。

木村:自分もキャラクターデザインが主な担当だったので、どちらかというと楽しんでいました。スタジオの後ろの席を見ると......「おお、大変そうだな」と思っていましたけど(笑)。 総作画監督作業もしましたが、絵コンテを読むとやっぱりおもしろいんです。自分が作業しているとなかなか「おもしろい」と思えることはないんですが、『反逆のルルーシュ』は楽しい作業でした。

枢木スザクが搭乗するKMF「ランスロット」

安田:第2話のランスロットのアクションは、近年にない気持ちよさを味わうことができました。

木村:自分はネットの反応を見るほうなんですが、評判が良くてうれしかったです。

--『R2』ではどんな作業をしたのでしょうか。

木村:第1期から『R2』まで間に1年が空きましたが、作業そのものは継続していました。『R2』では夕方枠になったので、キャラ的には少年漫画的な要素を入れようと、ルルーシュとスザクのキャラクター設定を描きなおしたんです。

「コードギアス 反逆のルルーシュR2」キャラクタービジュアル

--メカも大幅に新しくなりました。

安田:メカは全体的に飛ぶようになりました。派手にしようと、トゲをつけたり、翼をつけたりしています。

--『R2』の後半の展開はどのように受け止めていましたか。

木村:当初からラストはこうなるだろうなと思っていましたし、たぶん見ている人も予想がついていたと思います。「本当にそれをやるの?」という方向性だったんでしょうね。作っている側としては楽しい作業でした。

新しい挑戦をした『亡国のアキト』

--そしてお2人は『亡国のアキト』に参加することになるわけですが、『反逆のルルーシュ』との違いはどんなところにあったのでしょうか。

「コードギアス 亡国のアキト」ビジュアル

安田:最初にメカは3DCGだといわれたんです。『反逆のルルーシュ』のときはすごい人たち(アニメーター)がメカを動かしていたのですが、3DCGで同じことができるのか、最初は単純に不安でした。ただ、自分が考えたメカデザインのディティールが省略されることなしに画面に出るのは贅沢な体験ができるのではとワクワクもしていました。

木村:『反逆のルルーシュ』はケレンミのある作りだったと思うんです。でも『亡国のアキト』は勢いだけではない、地に足がついたノリがありました。CLAMPさんのキャラクター原案も、軍服が実際のものに近いディティールを盛り込んだものになっていたので、ちゃんと資料を調べて、上着の下にはどんな服を着こんでいるのか、ちゃんと脱ぎ着ができるものを描いています。主に僕が担当したのはディテールやパイロットスーツ関係ですね。

--アキトとレイラの印象はいかがでしたか。

木村:レイラはともかく、アキトが掴みにくかったですね。

安田:たしかに。

木村:監督に「彼は何を考えて、この先どうなるのか」を聞きました。アキトはビジュアルとして「何を考えているのかわからないキャラ」として描いています。レイラに関しては、髪型や服装などが複雑なのですが装飾も含めて細かく描きこんでいます。今回はできるだけ線を省略せず、画面がより麗しいものにするというが1つのテーマだったんです。

--シンについてはどうでしたか?

木村:和風のデザインはCLAMP さんの原案にすでにあったんです。ビジュアル的にイメージがはっきりしているキャラクターだったので苦労せずできました。