警察を呼ぶ
死後何日も経っていて、明らかに亡くなっていると素人目にもわかる場合は、警察に連絡しましょう。
病死であっても、かかりつけ医がいない場合は警察に届けて、警察の監察医に死体検案書を作成してもらわなければ、葬儀は行えません。(死亡診断書または死体検案書がなければ、葬儀社が受け付けてくれません)
仕事から帰ったら、年老いた親が風呂場で亡くなっていた! あなたならどうする?
親が倒れていたら、声をかけたり、揺り動かしたり、息をしているかどうかなどを確認するでしょう。
もし、親が風呂場で裸で倒れていたら、たとえ救急隊員にとはいえ、親の裸の姿をさらすのはかわいそうだと考えてしまいませんか?
そこで、親を部屋に移し、服を着せて、布団に寝かせて救急車を待とうとします。
この時、幸いにも動かしても大丈夫な病状であったり、蘇生できた場合は、問題なく病院に運ばれていくでしょう。
でも、もしこの時点ですでに亡くなっていたら、かなり面倒なことになります。
死因がはっきりしない場合は“不審死”として扱われ、事件性がないかどうかを調べられるのです。その時、“死体を動かした”ことが、証拠隠滅だと受け取られかねないからです。
警察の捜査では、現場維持がもっとも重要。証拠を集めることが大切だからです。
死体や周りのものを動かせば、事件性があるのかどうかの判断が難しくなります。もちろん故意に動かせば、証拠隠滅になってしまいます。
すでに亡くなっている場合は、どんな姿であっても、そのままの状態で待たなければならないのです。
一人暮らしの60代女性が自宅で亡くなっていたケース
先日、筆者の近所の方が自宅で亡くなっていたのが発見されました。救急車と消防車も1台一緒に来ました。消防車は応援とのことで、その時点で不思議だなと思ったのですが、救急車がサイレンをならして立ち去った形跡がないので、すでに亡くなっていたのだとわかりました。
そして後日、警察から刑事さんが来ました。
筆者宅には防犯カメラを設置している関係で、警察から時々協力を求められ、今回も事件性がないか確認したいとのことでした。
かなり長時間映像をチェックし、亡くなった方が歩いている映像を見つけたそうです。おそらく亡くなった日や、事件性の有無の判断材料になるのでしょう。
当然近隣や家族にも聞き込みをし、死因が分らない時は解剖されるので時間もかかります。
亡くなった方に多額の財産があるとか、家族間でもめ事があったりすれば、疑いが晴れるまで徹底的に調べられることになるでしょう。要は自宅で亡くなった場合は、そこまで調べられるということです。
そうして、事件性がないと判断されて初めて、死体検案書が発行され葬儀の準備にかかれるのです。
まとめ
筆者の義父は自宅で亡くなりましたが、その時、同居していた家族は家族関係などをかなり突っ込んで質問されたそうです。
また、筆者の周りでは、買い物から帰ったら夫が庭で倒れて亡くなっていたとか、朝起きてこないので部屋に見に行ったらベッドで亡くなっていたとか、年配の人だけでなく働き盛りの若い人でも自宅で突然亡くなったケースがあります。
自分の家族には絶対起こらないとは言い切れません。
わが身に起これば悲しいことですが、実際、家族間での殺人事件も多発していますから、警察が事件性の有無を徹底的に調べるのは、警察としての仕事をきちんとしてくれているということでもあります。
不要なトラブルを避け、不快な思いをできるだけしないですむように、
「家族が自宅で突然亡くなった場合は、動かさずにそのままの状態で、救急車または警察を待つ」
ということを、頭の片隅にでも置いておいてくださいね。