2.「恋人として付き合う」ことを餌にされて

「彼氏としてお付き合いしてほしい男性がいたのですが、仲良くなるにつれキスやハグを求められるようになり、断れないまま気がつけば体の関係になっていました。

『好きじゃなかったら抱かないよ』

と繰り返す彼の言葉を信じて、私としてはもう付き合っていることにしてもいいのかな、と思っていたのですね。

でも、彼は周りには私のことを『仲のいい女友達』とずっと紹介していて、モヤモヤするので『彼女じゃないなら手を出さないでほしい』と断るようになりました。

すると、彼が

『そんなに形が大事? 俺は君しか抱かないし、もっと好きになったら彼女になってほしいのだけど』

と言ってきて。

このまま断り続けたらつながりも断たれてしまう、彼も私に愛情を持ってくれているんだ、とそのときは思いました。

それでまた体の関係が始まったのですが、私が会いたいと言っても時間を作ってくれなかったり、逆に私が会えないと言ったら『じゃあ○○ちゃんを誘うわ』と別の女性の名前を出されて慌てて会いに行ったり、今思えば完全に利用されていたと思います。

友人に相談したら、『それは“恋人”を餌にされているだけ。早く別れたほうがいいよ』と言われ、ショックだけどたしかにそのとおり、彼に友人の言葉をそのまま伝え、

『いい加減な扱いを受けるのは耐えられないから』

と言いました。

そんな私に彼はため息をついていましたが引き止める言葉はなく、ああやっぱり都合のいい女がほしかっただけなんだな、と改めて悲しくなりました。

確かに恋人の形にこだわったけど、好きな人とはちゃんと付き合いたいって思うのが普通じゃないですか?」(30歳/総務)

「いつか恋人として付き合えるかも」という期待を女性に抱かせることで、体だけの関係を強要する男性。まともな交際を望んでいた彼女は、そんな扱いに抵抗を覚えてもつながりを失うことが怖くて、拒絶しきれないままでした。

「好きだったから、最初も断れなかった」と彼女は言いますが、拒否したことで関係が終わるなら、男性にとってその程度の女性だったということ。その事実を知ることが怖かったのが彼女の本音です。

誠意のない男性は、女性の好意を利用することにためらいがありません。

「好きな人とはちゃんと付き合いたい」という彼女の気持ちは、当たり前のことですが、そこにつけこまれたら、いつまでも抜け出せない中途半端な関係が待っています。

彼女はまだこの男性への未練を捨てきれていませんが、好きでい続けても良い結果はないのが現実です。

みずから望んで体だけの関係を持つ女性もいれば、「そのときはやむを得ず」そうなってしまった、という女性もいるでしょう。

満足できているうちは良いのですが、相手を好きになってしまったとき、関係を変えたくなったとき、突きつけられる現実は決して甘いものばかりではありません。

どんなつながりでも、選ぶのは自分です。あとにどんな展開があるのか、安易に踏み込む前に想像する機会を持ちましょう。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line