3.スラング
美しい景色を見ても、美味しい食事をしても「これ、やばくない」、道端に転がる犬の糞を見ても「これ、やばくない」と同じ一言で済ましてしまう言葉の乏しさには寂しい気がしますが、これらはもはや現代語として若者に浸透しています。
子どもは耳にしたことのない言葉を言うことはありません。もしかして、ママやパパが無意識に使っていて、それがインプットされてしまったのかもしれません。
言葉は本能として知って生まれてくるわけではありません。ネットやテレビの影響を受け、また幼稚園や小学校に入って周りの友達が使っていたら、真似をして嫌でも覚えていきます。
時代時代の流行り言葉もあり、それを使うことにより仲間としての連帯感を持つこともできるので、あえて友達間でも使うこともあります。ですから、あまり目くじら立てることもないでしょう。
ただ、子どもの母国語の基礎は長い時間過ごす家庭環境で作られます。お母さん、お父さんの言葉遣いがそのまま言葉になります。
ままごとをしている子どもの様子を見ていたら、お母さん役の子がやたら「早くしないとダメでしょ」と言っていることがあります。おそらく、ママの後ろ姿をみて学んだのでしょう。
「ヤバい、超、マジ、うっそ~」を連呼するママの子はやはりこの言葉をよく使います。
【解決策】
美味しいご飯を食べたとき、道で犬の糞を見かけたとき、美味しいも汚いもなんでも「やばい!」の一言で済ますのではなく、子どもの前では出来るだけ次のように使い分けましょう。
- この景色とっても綺麗だね。
- このご飯とっても美味しいね。
- ああ、犬の糞が落ちている。汚いから避けて通ろうね。
語彙も豊富になります。
また、子どもが「今日、先生に玩具を片づけて褒められたよ」と子どもが報告してきたとき「本当?」とか「うそでしょ」と言うのが癖になっている人がいます。
「本当?」「うそでしょ」には“感嘆の意味”が含まれますが、これを日常的に使っていると子どもも親とそっくりな言葉を使うようになってしまいます。シンプルに「そうなんだ。頑張ったんだね。良かったね」と言ってやりましょう。
許される言葉、許されない言葉
筆者は保育園で仕事をしていますが、一番子どもが喜ぶ言葉は「うんち」「お尻」の類です。でも、幼い頃使いたがる“うんこ、お尻系の言葉”は自然消滅します。また、「ヤバい、超、マジ」の類は日常的に家庭で使っていなければ使わないようになります。
でも、相手の身体をネタにした「チビ、ハゲ、ブス」「死ね」「キモイ」など相手を深く傷つける言葉を使ったときだけは、親として毅然とした態度でしつけ修正していきましょうね。