子どもは親があれこれと世話をしてやらないと生きてはいけません。
けれども、「良かれと思って」手出し口出しが過度になると、せっかく伸びようとしている子どもの自立の芽を摘んでしまうことがあります。“必要な世話と過保護過干渉”その線引きってとっても難しいですよね。
『1人でできる子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。過保護・過干渉の例です。
1.公園に連れて行き「仲良く遊ぶのよ」と釘を刺す。
まだ、喧嘩をしているわけではないのに、最初から予防線を張って「お友達と仲良くしないとダメなのよ」と釘を差してしまいたくなります。
わが子が他のお子さんを傷付けてしまったら、その後のママ友との人間関係もギクシャクしてしまいます。
けれども…子どもが複数集まれば諍いが起るのは自然な流れ。そこで、他人とのぶつかり合いを経験し、人との考え方の違いを感じたり、やったりやられたりして社会性やコミュニケーション力が育ちます。
その環境を与えずして、最初から「仲良くしなさい」というのはちょっと干渉しすぎかもしれません。
【対処法】
砂をかける、噛み付く、積み木など道具を持って相手を叩くなど危険がない限りは「子どものために多少の喧嘩が起こっても、見守っていよう」とママ友と事前に話し合っておきましょう。
それから、子どもだって馬が合わない相手はあります。「皆仲良く」「誰とでも仲良く」を押し付けない方がよいかもしれませんね。
2.子どもが「ママ、水」と言っただけで水を出す。
家庭で「ママ、ジュース!」「ママ、水!」「ママ、おしっこ!」の子どもの単語に反応し、ジュースを出してやったり、トイレに連れて行ったりしていると、幼稚園や学校でも担任に「先生、おしっこ」「先生、水」「先生、鉛筆」と叫ぶようになります。
【対処法】
幼稚園・保育園の先生は子どもの言語能力を伸ばすため、子どもが何を言わんとしているかわかっていてもあえて「おしっこがなんですか?」とか「先生はおしっこではないですよ。おしっこがどうしたのですか?」と答えるようにしています。
家庭でも「ママ、水!」と言われても「ママは水じゃあないわよ、水がどうしたの?」と聞き返しましょう。そして、子どもに「喉が渇いたのでお水ください」ときちんと相手に伝わる言葉で話すように教えましょう。
こうしていくうちに言語能力、表現力も育っていきます。
3.通園バックの中身を親が用意している
「通園バックの中にいれるタオルや連絡ノートは親が用意するもの」の感覚で、いつまでもやってあげていると、自分の持ち物管理の習慣がつかなくなってしまいます。
先生から忘れ物を注意されても「だってママが入れてくれなかったんだもん~!」の言い訳するようにもなってしまいます。
【対処法】
玩具箱から好きな玩具を出せる子どもであれば、保育園、幼稚園から帰ってきたときカバンの中から連絡ノートや汚れ物を出すことは出来ますよ。また、朝、それらを入れることも出来ます。
「もうお兄さん(お姉さん)だから、自分の道具は自分で出したり、準備したりできるよね」と伝えましょう。
小学生になったら明日の時間割を見て、ランドセルの中に自分で必要なものを準備しなくてはなりません。幼児期から少しずつ練習していきましょう。