(2)最初から求めすぎない! 第一段階は「動けばOK」
飯山:注意したいのは、「めんどくさいなぁ」というつぶやきには反応しないことですね。
ブツブツ言いながらも動こうとしているときに、「そんなこと言うならいいわ」と遮ってしまうと、旦那さんはやる気をなくしてしまいます。
まずはやってくれるだけでOK、動いてくれるだけでOKと思うことです。
――まずは、重たい腰をあげてくれたことに対してたくさん褒めるんですね。
飯山:そうです。そこで気をつけたいのが、「褒める」より「やってもらって嬉しい」と伝えることですね。
男性は一家の大黒柱でいたいという思いがあるから、上から目線で言われると嫌なんです。
「嬉しい」「ありがとう」と甘える感じで喜びを伝えていただければ、うまく操縦できるんじゃないかと思いますね。
(3)単純な褒め言葉をとにかく連発する
――「嬉しい」という気持ちは、どんなふうに伝えるのがいいのでしょうか。
飯山:男性は単純なので、「すごい」とか「かっこいい」とか「素敵」とかアバウトな言葉で十分。
男性は裏を読まないんです。
そこが女性と男性の違うところで、女性を褒めるときは「素敵ですね」だけじゃダメで「その服のその色がよく似合っていますね」とか「髪型がいつもと違いますね」とか具体的に言うことが重要ですよね。
でも男性は「ステキ!」の一言でいい。とにかく言ってあげればいいんです。
あとは、できればちょっと抑揚をつけるといいですね。「すごーい!」とか。演技でもいいんですよ。
たとえば、これを飲み屋のママさんとかに実践してもらうとお客さんがつくようになるんです。
(4)「あなたならできる」で自尊心をくすぐる
――育児では、やっぱりママの方が先に赤ちゃんのお世話に先に慣れてしまう。するとパパは「君のほうが上手だからやってよ」って遠慮してしまうんですね。
途中からパパとママの間に育児の壁ができてしまうんじゃないかなという気がします。
そういう状況に陥っているパパに子育てに参加してもらいたいときには、どう生かしたらいいでしょうか。
飯山:育児にも、たとえばおむつを替える、ミルクをあげる、あやしたり遊んであげる、などいろんな場面があると思うんですけど、その中でパパにやってほしいことを具体的に伝えたほうがいいですね。
最初から、「あれもやって」「これもやって」って言われると人間誰しも面倒に感じてしまうので、一つずつできることを増やしていくんです。
「お父さんはあやすのが上手だから赤ちゃんが泣いたらお願いね」とか。
それは自尊心をくすぐります。「あ、そうか。オレはあやすのが上手なのか」って。
だから「あ、泣いちゃったからお願い!タッチ」と言ってみてください。
赤ちゃんが本当に泣き止んだらすかさず「さすがパパ!」って言ってあげればいいんです。これを〝ピグマリオン効果〟といいます。
――それは実際には得意じゃなくても効きますか?
飯山:そうですね。最初はとにかくやってみればいいですし、それまでもある程度お父さんのことを見てあげたらいいと思うんですよね。
何がお父さんは得意そうかな、楽しそうにやっているかな、というのをよく見てあげることですよね。