“精神的に弱い子”って、いつも負けているばかりの子なんでしょうか?確かに失敗体験ばかりしていると「どうせ僕なんか」の投げやりな姿勢が付いてしまいます。でも反対に、いつも勝ってばかりでいると、挫折を受け入れられない子になってしまうかもしれません。
『1人でできる子が育つ 「テキトー母さん」 のすすめ』の著者がお話します。
いつも負ける子、いつも勝つ子
筆者は長年、幼児、小学生に指導をしてきました。
そんな中、いつも負けてしまい、やられっぱなしの子どももいます。反対に頭も回転がよく、更に運動神経も発達していて、身体も大きく“負け”を体験することない子もいます。
けれども、いつも勝っている子も、いつまでもそんな風にできるわけはなく、長い人生を歩んでいく中で、周りの人よりうまく出来なかったり、失敗したり、挫折することがあります。こうして精神的なタフさが身についていくのかもしれませんね。
ところが…。一度も挫折することなく、ある程度大きくなって“人生初のつまずき”を体験すると「僕はダメな人間だ」と針が触れてしまい、なかなか立ち直れないことがあります。
身近な例を挙げると、人生初の失敗が中学受験での不合格だったり、部活でレギュラー選手に選ばれなかったり、就活がうまくいかなかったり。
そんなとき、今まで一度も経験したことがないため、これを乗り越える経験をしてこなかったためエネルギーがわかず、投げ出してしまうのです。
だからこそ、適度な挫折体験はあえてさせる必要があるように感じています。
忍耐力、精神力を強くするゲーム
では、幼児期にどんな体験をさせたらよいのでしょうか。
それは、液晶画面で自分一人で戦うゲームではありません。床にカードを広げて人間対人間が関わるゲームです。トランプ、すごろく、カルタなどがこれに当たります。
こんなとき、子どもの性格によっては次のような反応に分かれます。
- 負けても特に動揺しない子
- 負けそうになり、悔し涙を流しながら最後まで参加する子
- これ以上頑張っても優勝できないとわかるや否や、カードを床にばらまいてしまう子
同じ状況に置かれても実にさまざまな反応をします。わが子の性格を分析するにはもってこいのゲームです。
さて、3の子どもの場合、周囲の大人はどうすればよいか、次にお話します。
負けて拗ねて棄権してしまう子
「負けて大騒ぎされると大変だわ~」と大人が腫れ物に触るような対応をしてしまい、八百長でわざと負けてやったり、途中から棄権した子をなだめたりしてはなりません。
泣いても、荒れても大人は慌てることなくほっておきましょう。棄権したら「それだと皆が楽しめないよ。もう、ゲームして遊ぶことはできないね~」とさらりと言いましょう。
泣いて負ける子はそれだけ負けん気が強いのです。ですから本心はやりたくてやりたくて仕方がないのです。ただ悔しいから途中で投げだり、大泣きしたしりて精神のバランスをとっているのです。周りの大人がその態度に巻き込まれないことがポイントですよ。
悔しさをバネにきっと、翌日「またやりたい」ときっと言ってきますよ。
いつも決まった子が勝ってしまう場合は?
記憶力がよいとトランプの神経衰弱では独り勝ちしてしまいます。また、カルタですと瞬発力の優れた子が勝ちます。また、百人一首はしっかり勉強をし、上の句を聞いただけで、下の句を取れる子が優勝します。
このように能力だけに頼るゲームばかりをしていると一等賞になる子はいつも決まってきます。
そうなると負ける子は「どうせ、また負けるから」と投げやりになり、勝つ子どもは「自分が優勝して当然だ、自分が負けるなんて在り得ない」となってしまいます。
そんなときは次のような運を天に任せるゲームを取り入れてみましょう。例えば次に紹介するゲームです。